創世記 9:8 神はノアと彼の息子たちに言われた。
9:9 「わたしは、あなたたちと、そして後に続く子孫と、契約を立てる。
9:10 あなたたちと共にいるすべての生き物、またあなたたちと共にいる鳥や家畜や地のすべての獣など、箱舟から出たすべてのもののみならず、地のすべての獣と契約を立てる。
9:11 わたしがあなたたちと契約を立てたならば、二度と洪水によって肉なるものがことごとく滅ぼされることはなく、洪水が起こって地を滅ぼすことも決してない。」
9:12 更に神は言われた。「あなたたちならびにあなたたちと共にいるすべての生き物と、代々とこしえにわたしが立てる契約のしるしはこれである。
9:13 すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。
9:14 わたしが地の上に雲を湧き起こらせ、雲の中に虹が現れると、
9:15 わたしは、わたしとあなたたちならびにすべての生き物、すべて肉なるものとの間に立てた契約に心を留める。水が洪水となって、肉なるものをすべて滅ぼすことは決してない。
9:16 雲の中に虹が現れると、わたしはそれを見て、神と地上のすべての生き物、すべて肉なるものとの間に立てた永遠の契約に心を留める。」
9:17 神はノアに言われた。「これが、わたしと地上のすべて肉なるものとの間に立てた契約のしるしである。」

詩篇 93:1 主こそ王。威厳を衣とし 力を衣とし、身に帯びられる。世界は固く据えられ、決して揺らぐことはない。
93:2 御座はいにしえより固く据えられ あなたはとこしえの昔からいます。
93:3 主よ、潮はあげる、潮は声をあげる。潮は打ち寄せる響きをあげる。
93:4 大水のとどろく声よりも力強く 海に砕け散る波。さらに力強く、高くいます主。
93:5 主よ、あなたの定めは確かであり あなたの神殿に尊厳はふさわしい。日の続く限り。

使徒 27:39 朝になって、どこの陸地であるか分からなかったが、砂浜のある入り江を見つけたので、できることなら、そこへ船を乗り入れようということになった。
27:40 そこで、錨を切り離して海に捨て、同時に舵の綱を解き、風に船首の帆を上げて、砂浜に向かって進んだ。
27:41 ところが、深みに挟まれた浅瀬にぶつかって船を乗り上げてしまい、船首がめり込んで動かなくなり、船尾は激しい波で壊れだした。
27:42 兵士たちは、囚人たちが泳いで逃げないように、殺そうと計ったが、
27:43 百人隊長はパウロを助けたいと思ったので、この計画を思いとどまらせた。そして、泳げる者がまず飛び込んで陸に上がり、
27:44 残りの者は板切れや船の乗組員につかまって泳いで行くように命令した。このようにして、全員が無事に上陸した。

人は自然の驚異の前には無力である。
特に、最近の大雨や台風などによる脅威の前に、立ち向かう術もなく、為されるがままである。
なんとか抵抗しようとするものの、人間は無力であることをまざまざと見せつけられる。

パウロらを乗せた船も、地中海特有の嵐の前に、無残にも砕け散ってしまった。
人間が唯一頼りとするものを、情け容赦なく、木端微塵に打ち砕いてしまうのである。

これは、単なる船だけの問題ではなく、人間の科学や技術をも含めた問題として受け止めるべきであろう。
そして、己自身についても、である。
人は、自分自身の考え、力、経験、などに頼る。
しかし、それらのものは、偉大な神の御前では、何の役にも立たないし、時に、無残にも打ち砕かれる。
しかし、それは必ずしも悪いことではない。
神に打たれ、砕かれた時にはじめて、人は真の神こそ信頼しうるお方である、ということに目が開かれていくからである。

大洪水のあと、神はノアとその子孫に向けて、虹の契約を見せられた。
人は大自然の驚異の前に無力であるが、神には人を救う事の出来る力がある。
もちろんそれは、大自然の驚異を静めることや、打ち負かすことではない。
どんなことがあろうとも、人を永遠に滅ぼすことはないし、何よりも、一人一人を愛しておられる。
その証として、一人子キリストの命を捧げて下さった。
自然の前に為す術もなく、ただ茫然と立ちすくむようなことがあっても、私たちは、神の御子の命を賜うほどに神に愛されている。
そのことは永遠に変わらないし、神に愛されているという事実を忘れずに、今の時代の荒波の中を進んでいきたい。
たとえ船を失ったとしても、生きる術を失ったように見えたとしても、主なる神が必ず救いへ導いてくださることを忘れずに生きていきたいものである。

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