ルカ 13:31 ちょうどそのとき、ファリサイ派の人々が何人か近寄って来て、イエスに言った。「ここを立ち去ってください。ヘロデがあなたを殺そうとしています。」
13:32 イエスは言われた。「行って、あの狐に、『今日も明日も、悪霊を追い出し、病気をいやし、三日目にすべてを終える』とわたしが言ったと伝えなさい。
13:33 だが、わたしは今日も明日も、その次の日も自分の道を進まねばならない。預言者がエルサレム以外の所で死ぬことは、ありえないからだ。
13:34 エルサレム、エルサレム、預言者たちを殺し、自分に遣わされた人々を石で打ち殺す者よ、めん鳥が雛を羽の下に集めるように、わたしはお前の子らを何度集めようとしたことか。だが、お前たちは応じようとしなかった。
13:35 見よ、お前たちの家は見捨てられる。言っておくが、お前たちは、『主の名によって来られる方に、祝福があるように』と言う時が来るまで、決してわたしを見ることがない。」
イエス様の噂を聞いたヘロデは、イエス様のことを恐れつつも、会ってみたいと思っていたと考えていた。
ルカ9:7 ところで、領主ヘロデは、これらの出来事をすべて聞いて戸惑った。というのは、イエスについて、「ヨハネが死者の中から生き返ったのだ」と言う人もいれば、
9:8 「エリヤが現れたのだ」と言う人もいて、更に、「だれか昔の預言者が生き返ったのだ」と言う人もいたからである。
9:9 しかし、ヘロデは言った。「ヨハネなら、わたしが首をはねた。いったい、何者だろう。耳に入ってくるこんなうわさの主は。」そして、イエスに会ってみたいと思った。
もちろん、事と次第によっては、イエス様を捕らえて殺してしまう事も想定していたであろう。
しかし、まだこの時点では、ヘロデもそこまで考えていなかったはずである。
ところが、ファリサイ派の人たちは、当然ヘロデならイエス様を殺すだろうと考えていたためもあってか、ヘロデがイエス様の命を狙っているとの情報をイエス様に伝え、エルサレムへ向かう事を阻止しようとしたのであろう。
イエス様がエルサレムへ向かえば、人々がイエス様を真のメシアとして熱狂的に迎え入れるであろうことを危惧していたのであろう。
民の関心がイエス様に向かい、自分たちの権威が失われていくことを恐れていたために、なんとしても、イエス様をエルサレムへ向かわされるわけにはいかなかったのであろう。
妬みであったり、いやがらせであったり、偽りの情報操作を行うなど、いつの時代にも愚かな人間のすることは同じである。
そんなことをしても、いつかは化けの皮がはがれてしまい、偽りに生きる者の企みも明らかになって行くはずなのに。
自己保身や偽善、偽りによる情報操作など、自らがまいた種は、やがて、自らにふりかかり、刈り取ることになる。
それは、どんな小さなことでも当てはまる。
完全な義ではなくても、誠実に生きよう。
自分自身を偽ることなく、できる範囲でいいから、自分にできることを忠実に努めていこう。
きっとそれが最善であろうから。