雅歌 1:1 ソロモンの雅歌。
1:2 どうかあの方が、その口のくちづけをもって わたしにくちづけしてくださるように。
1:2 ぶどう酒にもましてあなたの愛は快く
1:3 あなたの香油、流れるその香油のように あなたの名はかぐわしい。おとめたちはあなたを慕っています。
1:4 お誘いください、わたしを。急ぎましょう、王様 わたしをお部屋に伴ってください。
1:4 わたしたちもあなたと共に喜び祝います。ぶどう酒にもまさるあなたの愛をたたえます。人は皆、ひたすらあなたをお慕いします。
1:5 エルサレムのおとめたちよ わたしは黒いけれども愛らしい。ケダルの天幕、ソロモンの幕屋のように。
1:6 どうぞ、そんなに見ないでください 日焼けして黒くなったわたしを。兄弟たちに叱られて ぶどう畑の見張りをさせられたのです。自分の畑は見張りもできないで。
1:7 教えてください、わたしの恋い慕う人 あなたはどこで群れを飼い 真昼には、どこで群れを憩わせるのでしょう。牧童たちが飼う群れのそばで 顔を覆って待たなくてもすむように。
1:8 だれにもまして美しいおとめよ どこかわからないのなら 群れの足跡をたどって羊飼いの小屋に行き そこであなたの子山羊に草をはませていなさい。
1:9 恋人よ、あなたをたとえよう ファラオの車をひく馬に。
1:10 房飾りのゆれる頬も 玉飾りをかけた首も愛らしい。
1:11 あなたに作ってあげよう 銀を散らした金の飾りを。
1:12 王様を宴の座にいざなうほど わたしのナルドは香りました。
1:13 恋しい方はミルラの匂い袋 わたしの乳房のあいだで夜を過ごします。
1:14 恋しい方は香り高いコフェルの花房 エン・ゲディのぶどう畑に咲いています。
1:15 恋人よ、あなたは美しい。あなたは美しく、その目は鳩のよう。
1:16 恋しい人、美しいのはあなた わたしの喜び。わたしたちの寝床は緑の茂み。
1:17 レバノン杉が家の梁、糸杉が木。

雅歌は、その名の通り、歌の形式となって恋人たちの恋心を歌い上げたものとなっている。
いわゆる、芸術作品のようなものと言えるかもしれない。
1章では、前半でおとめの思いと、彼女を取り巻く他のおとめたち、後半は、おとめと若者が互いに呼び交わす形となっている。
現実的な場面では、なかなか見られない光景かもしれないが、舞台芸術として捉えるなら、こういったスタイルもありうるだろう。
もちろん、現実的な場面で互いに呼び交わす人もいるかもしれないが、恋人たちの恋心を芸術的に歌い上げている雅歌という作品としてみたほうが分かりやすい。
しかも、イスラエルの生活や環境、空気感といったものが理解できていなければ、ここで歌い上げられている状況は、なかなか理解しがたいものがあるだろう。
日本の和歌なども、普通にただ読むだけで、その世界観や歌い上げられている状況を理解することは難しい。
芸術性をもった作品を鑑賞するには、創る側と読む側とで、受ける印象や捉え方も違ってくるかもしれないが、おおむね、普遍的に感じ取ることのできるものもある。
そういった普遍的な感情や恋こがれる様子が思い浮かべられたら、それで十分ではないだろうか。

芸術に疎い者のつぶやき。

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