申命記 28:15 しかし、もしあなたの神、主の御声に聞き従わず、今日わたしが命じるすべての戒めと掟を忠実に守らないならば、これらの呪いはことごとくあなたに臨み、実現するであろう。
28:16 あなたは町にいても呪われ、野にいても呪われる。
28:17 籠もこね鉢も呪われ、
28:18 あなたの身から生まれる子も土地の実りも、牛の子も羊の子も呪われる。
28:19 あなたは入るときも呪われ、出て行くときも呪われる。
28:20 あなたが悪い行いを重ねて、わたしを捨てるならば、あなたの行う手の働きすべてに対して、主は呪いと混乱と懲らしめを送り、あなたは速やかに滅ぼされ、消えうせるであろう。
28:21 主は、疫病をあなたにまといつかせ、あなたが得ようと入って行く土地であなたを絶やされる。
28:22 主は、肺病、熱病、高熱病、悪性熱病、干ばつ、黒穂病、赤さび病をもってあなたを打ち、それらはあなたを追い、あなたを滅ぼすであろう。
28:23 頭上の天は赤銅となり、あなたの下の地は鉄となる。
28:24 主はあなたの地の雨を埃とされ、天から砂粒を降らせて、あなたを滅ぼされる。
28:25 主は敵の前であなたを撃ち破らせられる。あなたは一つの道から敵を攻めるが、その前に敗れて七つの道に逃げ去る。あなたは地上のすべての王国にとって恐るべき見せしめとなる。
28:26 あなたの死体は、すべての空の鳥、地の獣の餌食となり、それを脅して追い払う者もいない。
28:27 主は、エジプトのはれ物、潰瘍、できもの、皮癬などであなたを打たれ、あなたはいやされることはない。
28:28 主はまた、あなたを打って、気を狂わせ、盲目にし、精神を錯乱させられる。
28:29 盲人が暗闇で手探りするように、あなたは真昼に手探りするようになる。あなたは何をしても成功せず、常に蹂躙され、かすめ取られてだれ一人助ける者はない。
28:30 あなたは婚約しても、他の男がその女性と寝る。あなたは家を建てても、住むことはできない。ぶどう畑を作っても、その実の初物を味うことはできない。
28:31 あなたの牛が目の前で屠られても、あなたは食べることができず、ろばが目の前で奪い取られても、返してはもらえない。羊の群れが敵に連れ去られても、だれ一人あなたを助ける者はない。
28:32 あなたの息子や娘が他国の民に連れ去られるのを見て、その目は終日彼らを慕って衰えるが、なすすべはない。
28:33 あなたの土地の実りも労苦の作もすべて、あなたの知らない民が食べ、あなたはただ蹂躙され、常に踏み砕かれるだけである。
28:34 あなたはそのような有様を目の当たりにして、気が狂う。
28:35 主は悪いはれ物を両膝や腿に生じさせ、あなたはいやされることはない。それはあなたの足の裏から頭のてっぺんまで増え広がる。
28:36 主は、あなたをあなたの立てた王と共に、あなたも先祖も知らない国に行かせられる。あなたはそこで、木や石で造られた他の神々に仕えるようになる。
28:37 主があなたを追いやられるすべての民の間で、あなたは驚き、物笑いの種、嘲りの的となる。
28:38 畑に多くの種を携え出ても、いなごに食い尽くされて、わずかの収穫しか得られない。
28:39 ぶどう畑を作って手を入れても、虫に実を食われてしまい、収穫はなく、ぶどう酒を飲むことはできない。
28:40 オリーブの木があなたの領地の至るところにあっても、実は落ちてしまい、体に塗る油は採れない。
28:41 あなたに息子や娘が生まれても、捕らわれて行き、あなたのものではなくなる。
28:42 あなたのどの木も土地の実りも、害虫に取り上げられる。
28:43 あなたの中に寄留する者は徐々にあなたをしのぐようになり、あなたは次第に低落する。
28:44 彼があなたに貸すことはあっても、あなたが彼に貸すことはない。彼はあなたの頭となり、あなたはその尾となる。
28:45 これらの呪いは、ことごとくあなたに臨み、付きまとい、実現して、ついにあなたを滅びに至らせる。あなたの神、主の御声に聞き従わず、命じられた戒めと掟とを守らなかったからである。
28:46 これらのことは、あなたとあなたの子孫に対していつまでもしるしとなり、警告となるであろう。
28:47 あなたが、すべてに豊かでありながら、心からの喜びと幸せに溢れてあなたの神、主に仕えないので、
28:48 あなたは主の差し向けられる敵に仕え、飢えと渇きに悩まされ、裸にされて、すべてに事欠くようになる。敵はあなたに鉄の首枷をはめ、ついに滅びに至らせる。
28:49 主は遠く地の果てから一つの国民を、その言葉を聞いたこともない国民を、鷲が飛びかかるようにあなたに差し向けられる。
28:50 その民は尊大で、老人を顧みず、幼い子を憐れまず、
28:51 家畜の産むものや土地の実りを食い尽くし、ついにあなたは死に絶える。あなたのために穀物も新しいぶどう酒もオリーブ油も、牛の子も羊の子も、何一つ残さず、ついにあなたを滅ぼす。
28:52 彼らはすべての町であなたを攻め囲み、あなたが全土に築いて頼みとしてきた高くて堅固な城壁をついには崩してしまう。彼らは、あなたの神、主があなたに与えられた全土のすべての町を攻め囲む。
28:53 あなたは敵に包囲され、追いつめられた困窮のゆえに、あなたの神、主が与えられた、あなたの身から生まれた子、息子、娘らの肉をさえ食べるようになる。
28:54 あなたのうちで実に大切に扱われ、ぜいたくに過ごしてきた男が、自分の兄弟、愛する妻、生き残った子らに対して物惜しみをし、
28:55 その中のだれにも自分の子の肉を与えず、残らず食べてしまう。あなたのすべての町が敵に包囲され、追いつめられた困窮のゆえである。
28:56 あなたのうちで大切に扱われ、ぜいたくに過ごしてきた淑女で、あまりぜいたくに過ごし、大切に扱われたため、足の裏を地に付けようともしなかった者でさえ、愛する夫や息子、娘に対して物惜しみをし、
28:57 自分の足の間から出る後産や自分の産んだ子供を、欠乏の極みにひそかに食べる。あなたの町が敵に包囲され、追いつめられた困窮のゆえである。
28:58 もし、この書に記されているこの律法の言葉をすべて忠実に守らず、この尊く畏るべき御名、あなたの神、主を畏れないならば、
28:59 主はあなたとあなたの子孫に激しい災害をくだされる。災害は大きく、久しく続き、病気も重く、久しく続く。
28:60 主はまた、あなたが恐れていたエジプトのあらゆる病気を再びあなたにうつされる。それはあなたにまといつくであろう。
28:61 主は更に、この律法の書に記されていない病気や災害をことごとくあなたに臨ませ、あなたを滅びに至らせる。
28:62 あなたたちは空の星のように多かったが、あなたの神、主の御声に聞き従わなかったから、わずかな者しか生き残らない。
28:63 主は、かつてあなたたちを幸いにして、人数を増やすことを喜ばれたように、今は滅ぼし絶やすことを喜ばれる。あなたたちは、あなたが入って行って得る土地から引き抜かれる。
28:64 主は地の果てから果てに至るまで、すべての民の間にあなたを散らされる。あなたも先祖も知らなかった、木や石で造られた他の神々に仕えるようになり、
28:65 これら諸国民の間にあって一息つくことも、足の裏を休めることもできない。主は、その所であなたの心を揺れ動かし、目を衰えさせ気力を失わせられる。
28:66 あなたの命は危険にさらされ、夜も昼もおびえて、明日の命も信じられなくなる。
28:67 あなたは心に恐怖を抱き、その有様を目の当たりにして、朝には、「夕になればよいのに」と願い、夕には、「朝になればよいのに」と願う。
28:68 「あなたは二度と見ることはない」とかつてわたしが言った道を通って、主はあなたを船でエジプトに送り返される。そこでは、あなたたちが自分の身を男女の奴隷として敵に売ろうとしても、買ってくれる者はいない。
神のみ教えに聞き従わなかった場合の呪いについて語られており、これらの事は、実際、イスラエルの民がバビロンへ捕囚として移住させられる時に実現していく。
それゆえ、バビロン捕囚以後のイスラエルでは、頑なまでに、神の律法の言葉を忠実に守ろうとする者たちが増え、ファリサイ派や律法学者らを生み出していくことにもなるのである。
イエス様の時代、なぜ彼らがそこまでかたくなに律法を守ろうとしたかについては、こうしたイスラエルの歴史のゆえであることを知ることができる。
ただ、ここに記されている事柄は、単に、イスラエルの歴史の中で起こったバビロン捕囚についてだけ語っているというのでもない。
神の御言葉に背いて生きて行こうとする者に、いつでも起こりうることでもあり、そういう意味では、時代を超えた神の警告の言葉、という風に捉えるべきであろう。
実際、神なき民の中には、様々な混乱や不安、災難や疫病などが蔓延しているし、そのような中にあって、人は希望を見いだしていくことが難しい。
しかし、神を信じる者は、たとえどんな困難な状況の中にあっても、神が生きて働いていることを知っているし、かりに肉の命が奪われようとも、魂まで滅ぼすことのできないことをも知っている。
マタイ10:28 体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。
10:29 二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。
10:30 あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。
10:31 だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」
全ての命は、神が創られたもの。
神にあって、神と共に生きる時、人ははじめて「生きている」存在となるのである。