申命記 4:21 主はあなたたちのゆえにわたしに対して怒り、わたしがヨルダン川を渡ることも、あなたの神、主からあなたに嗣業として与えられる良い土地に入ることも決してない、と誓われた。
4:22 従って、わたしはヨルダン川を渡ることなくここで死ぬ。しかし、あなたたちは渡って行って、その良い土地を得る。
4:23 あなたたちは注意して、あなたたちの神、主があなたたちと結ばれた契約を忘れず、あなたの神、主が禁じられたいかなる形の像も造らぬようにしなさい。
4:24 あなたの神、主は焼き尽くす火であり、熱情の神だからである。
4:25 あなたが子や孫をもうけ、その土地に慣れて堕落し、さまざまの形の像を造り、あなたの神、主が悪と見なされることを行い、御怒りを招くならば、
4:26 わたしは今日、あなたたちに対して天と地を呼び出して証言させる。あなたたちは、ヨルダン川を渡って得るその土地から離されて速やかに滅び去り、そこに長く住むことは決してできない。必ず滅ぼされる。
4:27 主はあなたたちを諸国の民の間に散らされ、主に追いやられて、国々で生き残る者はわずかにすぎないであろう。
4:28 あなたたちはそこで、人間の手の業である、見ることも、聞くことも、食べることも、嗅ぐこともできない木や石の神々に仕えるであろう。
4:29 しかしあなたたちは、その所からあなたの神、主を尋ね求めねばならない。心を尽くし、魂を尽くして求めるならば、あなたは神に出会うであろう。
4:30 これらすべてのことがあなたに臨む終わりの日、苦しみの時に、あなたはあなたの神、主のもとに立ち帰り、その声に聞き従う。
4:31 あなたの神、主は憐れみ深い神であり、あなたを見捨てることも滅ぼすことも、あなたの先祖に誓われた契約を忘れられることもないからである。
4:32 あなたに先立つ遠い昔、神が地上に人間を創造された最初の時代にさかのぼり、また天の果てから果てまで尋ねてみるがよい。これほど大いなることがかつて起こったであろうか。あるいは、そのようなことを聞いたことがあろうか。
4:33 火の中から語られる神の声を聞いて、なお生きている、あなたと同じような民があったであろうか。
4:34 あるいは、あなたたちの神、主がエジプトにおいてあなたの目の前でなさったように、さまざまな試みとしるしと奇跡を行い、戦いと力ある御手と伸ばした御腕と大いなる恐るべき行為をもって、あえて一つの国民を他の国民の中から選び出し、御自身のものとされた神があったであろうか。
4:35 あなたは、主こそ神であり、ほかに神はいないということを示され、知るに至った。
4:36 主はあなたを訓練するために、天から御声を聞かせ、地上に大いなる御自分の火を示された。あなたは火の中からその言葉を聞いた。
4:37 主はあなたの先祖を愛されたがゆえに、その後の子孫を選び、御自ら大いなる力をもって、あなたをエジプトから導き出された。
4:38 神はあなたよりも強大な国々をあなたの前から追い払い、あなたを導いて、今日のように彼らの土地をあなたの嗣業の土地としてくださった。
4:39 あなたは、今日、上の天においても下の地においても主こそ神であり、ほかに神のいないことをわきまえ、心に留め、
4:40 今日、わたしが命じる主の掟と戒めを守りなさい。そうすれば、あなたもあなたに続く子孫も幸いを得、あなたの神、主がとこしえに与えられる土地で長く生きる。
詩篇 106:1 ハレルヤ。恵み深い主に感謝せよ、慈しみはとこしえに。
106:2 主の力強い御業を言葉に表し 主への賛美をことごとく告げうる者があろうか。
106:3 いかに幸いなことか、裁きを守り どのような時にも恵みの業を果たす人は。
106:4 主よ、あなたが民を喜び迎えられるとき わたしに御心を留めてください。御救いによってわたしに報いてください。
106:5 あなたの選ばれた民に対する恵みを見 あなたの国が喜び祝うとき共に喜び祝い あなたの嗣業の民と共に 誇ることができるようにしてください。
106:6 わたしたちは先祖と同じく罪を犯し 不正を行い、主に逆らった。
106:13 彼らはたちまち御業を忘れ去り 神の計らいを待たず
106:14 荒れ野で欲望を燃やし 砂漠で神を試みた。
106:15 主はその願いをかなえられたが 彼らをやせ衰えさせられた。
106:16 彼らは宿営でモーセをねたみ 主の聖なる人アロンをねたんだ。
106:17 地は口を開けてダタンを呑み込み アビラムの仲間を覆った。
106:18 火が彼らの仲間に向かって燃え上がり 炎が神に逆らう者を焼き尽くした。
106:19 彼らはホレブで子牛の像を造り 鋳た像に向かってひれ伏した。
106:20 彼らは自分たちの栄光を 草をはむ牛の像と取り替えた。
106:21 彼らは自分たちを救ってくださる神を忘れた。エジプトで大いなる御業を行い
106:22 ハムの地で驚くべき御業を 葦の海で恐るべき御業を 成し遂げられた方を忘れた。
106:23 主は彼らを滅ぼすと言われたが 主に選ばれた人モーセは 破れを担って御前に立ち 彼らを滅ぼそうとする主の怒りをなだめた。
106:47 わたしたちの神、主よ、わたしたちを救い 諸国の中からわたしたちを集めてください。聖なる御名に感謝をささげ あなたを賛美し、ほめたたえさせてください。
106:48 イスラエルの神、主をたたえよ 世々とこしえに。民は皆、アーメンと答えよ。ハレルヤ。
マルコ 7:9 更に、イエスは言われた。「あなたたちは自分の言い伝えを大事にして、よくも神の掟をないがしろにしたものである。
7:10 モーセは、『父と母を敬え』と言い、『父または母をののしる者は死刑に処せられるべきである』とも言っている。
7:11 それなのに、あなたたちは言っている。『もし、だれかが父または母に対して、「あなたに差し上げるべきものは、何でもコルバン、つまり神への供え物です」と言えば、
7:12 その人はもはや父または母に対して何もしないで済むのだ』と。
7:13 こうして、あなたたちは、受け継いだ言い伝えで神の言葉を無にしている。また、これと同じようなことをたくさん行っている。」
7:14 それから、イエスは再び群衆を呼び寄せて言われた。「皆、わたしの言うことを聞いて悟りなさい。
7:15 外から人の体に入るもので人を汚すことができるものは何もなく、人の中から出て来るものが、人を汚すのである。」
7:16 聞く耳のある者は聞きなさい。
7:17 イエスが群衆と別れて家に入られると、弟子たちはこのたとえについて尋ねた。
7:18 イエスは言われた。「あなたがたも、そんなに物分かりが悪いのか。すべて外から人の体に入るものは、人を汚すことができないことが分からないのか。
7:19 それは人の心の中に入るのではなく、腹の中に入り、そして外に出される。こうして、すべての食べ物は清められる。」
7:20 更に、次のように言われた。「人から出て来るものこそ、人を汚す。
7:21 中から、つまり人間の心から、悪い思いが出て来るからである。みだらな行い、盗み、殺意、
7:22 姦淫、貪欲、悪意、詐欺、好色、ねたみ、悪口、傲慢、無分別など、
7:23 これらの悪はみな中から出て来て、人を汚すのである。」
モーセはイスラエルの民をエジプトの奴隷状態から解放するため、神に選ばれ、神のなさる不思議な業を示し、民を約束の地へと導いていった。
しかし、モーセ自身も民と何ら変わらぬ弱い人間であり、過酷な役割を担っていく中で、自身も弱さの中で罪を犯してしまうことになり、約束の地の手前で、その生涯を閉じることとなるのである。
モーセほど熱心に神に仕えた者はなかったであろうし、とても残念なことにも思えるが、それでも彼は彼に与えられた務めを全うしていったのである。
詩篇106:23 主は彼らを滅ぼすと言われたが 主に選ばれた人モーセは 破れを担って御前に立ち 彼らを滅ぼそうとする主の怒りをなだめた。
モーセの姿は、十字架のイエス様を連想させると言えよう。
自身、傷つき、ボロボロであったかもしれないが、与えられた任務を遂行し、神の御心を全うするため、あえて破れに立ち、神にとりなしを行っていったのである。
ただ、モーセは弱い人間であり、つぶやきも、怒りも覚えた。
おそらく、モーセ自身も、そのことについては深く反省もしていたであろうけれども、克服することはできないことも知っていたはずである。
自分の力ではどうすることもできない自分の罪の現実の前には、モーセのみならず、すべての人が絶望するしかない。
だからキリストが必要なのだ。
内から出てくるものは悪いものばかり。
自分自身を見つめれば、絶望するだけであるが、だからこそ、上からの恵み、神のみ救いの約束に頼るのである。
私たちの生きる道は、それしかない。
モーセのように、破れに立ち絶望するしかない自分を認めつつも、主なる神のみ救いを求めて祈りつつ歩んでいきたいものである。