アモス 9:1 わたしは祭壇の傍らに立っておられる主を見た。主は言われた。「柱頭を打ち、敷石を揺り動かせ。すべての者の頭上で砕け。生き残った者は、わたしが剣で殺す。彼らのうちに逃れうる者はない。逃れて、生き延びる者はひとりもない。
9:2 たとえ、彼らが陰府に潜り込んでも わたしは、そこからこの手で引き出す。たとえ天に上っても わたしは、そこから引き下ろす。
9:3 たとえ、カルメルの頂に身を隠しても わたしは、そこから探し出して連れ出す。たとえ、わたしの目を逃れて、海の底に隠れても そこで、蛇に命じてかませる。
9:4 たとえ捕らわれ、敵の前に連れて行かれても そこで、剣に命じて殺させる。わたしは彼らの上に目を注ぐ。それは災いのためであって 幸いのためではない。」

詩篇 142:1  マスキール。ダビデの詩。ダビデが洞穴にいたとき。祈り。 
142:2 声をあげ、主に向かって叫び 声をあげ、主に向かって憐れみを求めよう。
142:3 御前にわたしの悩みを注ぎ出し 御前に苦しみを訴えよう。
142:4 わたしの霊がなえ果てているとき わたしがどのような道に行こうとするか あなたはご存じです。その道を行けば そこには罠が仕掛けられています。
142:5 目を注いで御覧ください。右に立ってくれる友もなく 逃れ場は失われ 命を助けようとしてくれる人もありません。
142:6 主よ、あなたに向かって叫び、申します 「あなたはわたしの避けどころ 命あるものの地で わたしの分となってくださる方」と。
142:7 わたしの叫びに耳を傾けてください。わたしは甚だしく卑しめられています。迫害する者から助け出してください。彼らはわたしよりも強いのです。
142:8 わたしの魂を枷から引き出してください。あなたの御名に感謝することができますように。主に従う人々がわたしを冠としますように。あなたがわたしに報いてくださいますように。

使徒 23:12 夜が明けると、ユダヤ人たちは陰謀をたくらみ、パウロを殺すまでは飲み食いしないという誓いを立てた。
23:13 このたくらみに加わった者は、四十人以上もいた。
23:14 彼らは、祭司長たちや長老たちのところへ行って、こう言った。「わたしたちは、パウロを殺すまでは何も食べないと、固く誓いました。
23:15 ですから今、パウロについてもっと詳しく調べるという口実を設けて、彼をあなたがたのところへ連れて来るように、最高法院と組んで千人隊長に願い出てください。わたしたちは、彼がここへ来る前に殺してしまう手はずを整えています。」
23:16 しかし、この陰謀をパウロの姉妹の子が聞き込み、兵営の中に入って来て、パウロに知らせた。
23:17 それで、パウロは百人隊長の一人を呼んで言った。「この若者を千人隊長のところへ連れて行ってください。何か知らせることがあるそうです。」
23:18 そこで百人隊長は、若者を千人隊長のもとに連れて行き、こう言った。「囚人パウロがわたしを呼んで、この若者をこちらに連れて来るようにと頼みました。何か話したいことがあるそうです。」
23:19 千人隊長は、若者の手を取って人のいない所へ行き、「知らせたいこととは何か」と尋ねた。
23:20 若者は言った。「ユダヤ人たちは、パウロのことをもっと詳しく調べるという口実で、明日パウロを最高法院に連れて来るようにと、あなたに願い出ることに決めています。
23:21 どうか、彼らの言いなりにならないでください。彼らのうち四十人以上が、パウロを殺すまでは飲み食いしないと誓い、陰謀をたくらんでいるのです。そして、今その手はずを整えて、御承諾を待っているのです。」
23:22 そこで千人隊長は、「このことをわたしに知らせたとは、だれにも言うな」と命じて、若者を帰した。
23:23 千人隊長は百人隊長二人を呼び、「今夜九時カイサリアへ出発できるように、歩兵二百名、騎兵七十名、補助兵二百名を準備せよ」と言った。
23:24 また、馬を用意し、パウロを乗せて、総督フェリクスのもとへ無事に護送するように命じ、
23:25 次のような内容の手紙を書いた。
23:26 「クラウディウス・リシアが総督フェリクス閣下に御挨拶申し上げます。
23:27 この者がユダヤ人に捕らえられ、殺されようとしていたのを、わたしは兵士たちを率いて救い出しました。ローマ帝国の市民権を持つ者であることが分かったからです。
23:28 そして、告発されている理由を知ろうとして、最高法院に連行しました。
23:29 ところが、彼が告発されているのは、ユダヤ人の律法に関する問題であって、死刑や投獄に相当する理由はないことが分かりました。
23:30 しかし、この者に対する陰謀があるという報告を受けましたので、直ちに閣下のもとに護送いたします。告発人たちには、この者に関する件を閣下に訴え出るようにと、命じておきました。」
23:31 さて、歩兵たちは、命令どおりにパウロを引き取って、夜のうちにアンティパトリスまで連れて行き、
23:32 翌日、騎兵たちに護送を任せて兵営へ戻った。
23:33 騎兵たちはカイサリアに到着すると、手紙を総督に届け、パウロを引き渡した。
23:34 総督は手紙を読んでから、パウロがどの州の出身であるかを尋ね、キリキア州の出身だと分かると、
23:35 「お前を告発する者たちが到着してから、尋問することにする」と言った。そして、ヘロデの官邸にパウロを留置しておくように命じた。

パウロの命を狙う者たちは、ただパウロを捕らえて殺すだけでは、自分たちの方が犯罪者になってしまうため、いろいろと策を練り、ユダヤの最高法院に訴え出て、いかにも正当な理由でパウロを処刑できるように企んでいたようである。
一方、パウロの仲間たちは、どうにかしてパウロを救おうと行動し、千人隊長の助けを借りて、ローマの総督のもとへ送り届けることにした。
ユダヤの人たちも、いかうにパウロを殺そうと企んでいても、ローマの支配下にあれば、易々とは手を出せないこと知っていたからであろう。
しかし、そのことで、パウロの行く末は予想外の展開となって行き、ローマへと護送されることとなってしまうのである。
パウロにとって、それが良かったのか悪かったのか、答えは「なるようにしかならない」ということであろう。

私たちの人生においても、思っていたように事が進まない事も多く、たいていの場合、予想外の出来事ばかり起こり、翻弄されていく。
その都度「なぜ?」と思うのだが、いくら「なぜ?」と悩もうが、現実に起きていることは現実であり、それを受け入れるかどうか、ただそれだけのことであろう。
「なぜ?」と思うようなことに理由がある場合もあるかもしれないが、理由などなく、ただそうなっただけという場合もあろう。
いずれにしても、私たちは、ただそれを受け入れて行くだけである。
でも、それでよいのだろう。
神様から見れば、私たち人間のやっている事のほうが「なぜ?」と思うようなことばかりであろう。
それでも、主なる神様は「なぜ?」と思うようなことばかりしている私たちを見て、嘆くのでもなく、あきらめるのでもなく、ただ静かにそのために十字架で死んで下さった。
理不尽と言えば理不尽そのものである。
けれど、主なる神様は、私たちに対しては良いも悪いも言わず、ただ私たちの身代わりとなって裁かれ、その上で「私はあなたを贖った。私はあなたを愛している」とだけ語りかけるのである。

今日も私たちの思い描いている通りには事は進まないかもしれない。
けれど、常に主のみ手が働いていることを覚え、良いことも、悪いことのように思えることも、静かに受け止めていける者でありたい。

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