雅歌 6:1 あなたの恋人はどこに行ってしまったの。だれにもまして美しいおとめよ あなたの恋人はどこに行ってしまったの。一緒に探してあげましょう。
6:2 わたしの恋しい人は園に 香り草の花床に下りて行きました。園で群れを飼い、ゆりの花を手折っています。
6:3 恋しいあの人はわたしのもの わたしは恋しいあの人のもの ゆりの中で群れを飼っているあの人のもの。
6:4 恋人よ、あなたはティルツァのように美しく エルサレムのように麗しく 旗を掲げた軍勢のように恐ろしい。
6:5 わたしを混乱させるその目を わたしからそらせておくれ。あなたの髪はギレアドを駆け下る山羊の群れ。
6:6 歯は雌羊の群れ。毛を刈られ 洗い場から上って来る雌羊の群れ。対になってそろい、連れあいを失ったものはない。
6:7 ベールの陰のこめかみはざくろの花。
6:8 王妃が六十人、側女が八十人 若い娘の数は知れないが
6:9 わたしの鳩、清らかなおとめはひとり。その母のただひとりの娘 産みの親のかけがえのない娘。彼女を見ておとめたちは祝福し 王妃も側女も彼女をたたえる。
6:10 曙のように姿を現すおとめは誰か。満月のように美しく、太陽のように輝き 旗を掲げた軍勢のように恐ろしい。
6:11 わたしはくるみの園に下りて行きました。流れのほとりの緑の茂みに ぶどうの花は咲いたか ざくろのつぼみは開いたか、見ようとして。
6:12 知らぬ間にわたしは アミナディブの車に乗せられていました。

新婚間もない夫婦の間に、微妙なすれ違いが生じてしまい、夫は妻の元へ帰り損ねてしまう。
妻は夫の行き先を知らず、不安を隠しきれないでいるが、気丈に振舞おうとして、夫は香り草の園へ行き、そこで群れを買っていると強がりを述べてしまうのである。
夫はと言うと、妻への愛は変わらないものの、疑心暗鬼な面が強まっていき「旗を掲げた軍勢のように恐ろしい」と述べて、恐れの感情を抱くようになっている。
お互い、相手のことを思い過ぎるがゆえの、行き過ぎた感情と言えるのかもしれないが、このような行き違いは、人間の不器用さをよく表していると言える。
夫婦関係だけに限らず、どんな人間関係であっても、どんなに言葉を尽くし、どれほど長い時間を共に過ごした人でも、こういったぎこちない交流によって、人は疲れもし、また、慰めも受けるのであろう。
信頼するということは大切なこと。
どんな言葉や行動よりも、まず必要なこと。
神との関係も同様、いったん疑い始めたら、なかなか良い関係にはならないが、疑う事をやめ、全き信頼を持って共に歩んでいくことが大切である。

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