しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。
ルカ2章19節
羊飼いたちの訪問を受けたマリアに注目したいと思います。

すきまをつくる
マリアは、心病んでもおかしくないようなストレスの連続を経験しました。けれども、そのような状況を越えて、心静かに、ヨセフと生まれたばかりのイエス様に愛を注いて行きました。その秘訣、それが、19節です。「これらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。」それは、黙想とか、静まりといったことと通じることがらです。第一に、マリアは、先回りをして、あれもしなければ、これもしなければ、と詰め込むのでなく。聖霊に明け渡して行きました。詰め込むのでなく、すきまをつくって行きました。それが、マリアの姿勢であったということです。

みことばを思い巡らす
第二のこと、それは、みことばを思い巡らすということです。今、すきまをつくるということを言いました。すきまをつくったとしても、そのできたすきまを不安や恐れや愚痴や不平でいっぱいにしていたとしたら、それは、何の意味もありません。そのすきまにおいて、みことばを思い巡らす。みことばを黙想する。それが、マリアがしたことでした。経験するさまざまなできごとと、自分が受けた神のみことばとをつなげて行く。それが、マリアはしたということでした。

本音で祈る
では第三に、マリアは、聖霊に支配され、みことばに導かれて、何の問題もない順風満帆な歩みをしたのでしょうか。そうではありませんでした。マリアは、本音で神様に祈って行きました。そして、本音で、神様に受け留めていただく経験をしました。わたしたちも本音で祈り、本音で、神様に受け留めていただくことができるのです。その神様の本音、それは、喜びです(ルカ15章7節、ルカ2章10~11節)。失われた罪人を捜し出して救うことを喜びとしておられる神様。そして、そのために、独り子がこの世に与えられた。それがクリスマスなのです。

(前川隆一牧師)

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