わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに羊を送り込むようなものだ。だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。         マタイ10章16節

イエス様が弟子たちにやがて来る迫害を予告された前半部分、そんな中でほんとうに恐れるべきお方がどなたであるかを教えられた後半部分とからなっています。
摂理の神
まず、後半部分から見ていきましょう。第一に、「人々を恐れてはならない。覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはないからである」と言われています(26)。わたしたちの信じる神様は、摂理をもって導いて下さる神様です(ローマ8章28節)。
命の神
第二に、「体を殺しても、魂を殺すことのできないものどもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい」と言われています(28)。わたしたちは、それが天国へと連れて行ってくれるものかどうか、という価値観で行動し、生活するよう召されているのです。
愛の神
第三に、「二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている」と言われています(29~31)。因果応報ではなく、愛なる神様の摂理の中で生かされている、それがわたしたちの信仰です。
わたしたちは、この摂理の神様、命の神様、愛の神様を、蛇のように賢く、鳩のように素直に生きる、その生き方を通して証していくよう召されているのです。また、狼であったわたしを十字架の血潮によって羊として下さった主を、そして、今も狼の性質を宿しているわたしを日々赦し、生かして下さる主を証していくよう召されているのです。

(前川隆一牧師)