「時は満ち、神の国は近付いた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われた。

                                マルコ1章15節

 イエス様がガリラヤにおいて伝道を始められたこと(14~15)と、四人の漁師を弟子となさったこと(16~20)とです。

時は満ちた
イエス様がガリラヤにおいて発せられた第一声、「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」というおことばは、わたしたちの信仰の三つの柱ということができるたいせつなメッセージです。第一に、「時は満ちた」とおっしゃいました。では、イエス様が「時は満ちた」とおっしゃった時、それは、どんな時だったのでしょうか。14節の最初で、「ヨハネが捕らえられた後」とあります。洗礼者ヨハネが、時の権力者の手によって捕らえられたというそのような状況の中で、イエス様は、「時が満ちた」とおっしゃったのでした。人間的に考える「時」と神様がお考えになる「時」とは違っているのです。

神の国は近づいた
 第二に、イエス様は、「神の国は近づいた」とおっしゃいました。神様がわたしたちに近づいて下さった、それは、わたしたちと関係をもつために近づいて下さったのでした。ペトロが「わたしの足など、決して洗わないでください」と言ったとき、イエス様は、「もしわたしがあなたを洗わないなら、あなたはわたしと何のかかわりもないことになる」とおっしゃいました。イエス様は、自分で自分を救うことのできないわたしたちの身代わりに、十字架で死ぬためにお出でになった救い主なのです。

悔い改めて福音を信じなさい
 「時は満ちた」。「神の国は近づいた」。だから第三に、「悔い改めて福音を信じなさい」とイエス様はおっしゃいました。悔い改める、それは、方向転換ということを意味しています。絶えず神様のみこころから反れよう反れようとする罪をもつわたしたちは、繰り返し繰り返し、神に立ち返っていく必要があるのです。神の招きに応えて、一つのことを手放す。一つ損をする。一つ譲っていく、それが、わたしたちの歩みです。そのことによって、わたしたちの歩みを通しても、神の国がより広がっていくこの週の歩みと、歩ませていただきたいと思います。

(前川隆一牧師)