イエスは言われた。「わたしにすがりつくのはよしなさい。まだ父のもとへ上っていないのだから。わたしの兄弟たちのところへ行って、こう言いなさい。『わたしの父であり、あなたがたの父である方、また、わたしの神であり、あなたがたの神である方のところへわたしは上る』と。」      ヨハネによる福音書 20章17節

 イエス・キリストが復活された朝のできごとを記している箇所です。

救いの完成の保証として

 今朝は、キリストの復活の意味について確認したいと思います。第一に、救いの完成の保証として、キリストは復活されました。お店で買い物をしたとき、確かに支払いをしたという証拠として、領収書やレシートをもらいます。同じように、イエス・キリストの十字架の死が確かに父なる神様に受け入れられて、救いが完成したという保証として、キリストは復活されました。

復活の命に与かり、この地上で生き生きと生きるため

キリストの復活の意味その第二は、キリストを信じる者が、この地上で復活の命に与かって生き生きと生きる、そのことのためにキリストは復活されました。ペトロは、その第一の手紙で次のように言っています。「わたしたちの主イエス・キリストの父である神が、ほめたたえられますように。神は豊かな憐みにより、わたしたちを新たに生まれさせ、死者の中からのイエス・キリストの復活によって、生き生きとした希望を与え」(Ⅰペトロ1章3節)。信仰をもっていようといまいと、同じように病気になり、人間関係に悩み、老いを経験します。しかし、そのきびしい現実を信仰の目をもって見、乗り越えていく力を与えられるのです。

栄光の体の希望

キリストの復活の意味その第三は、キリストが栄光の体によみがえられたように、キリストを信じるわたしたちもまた復活の体に与かることができるという希望を与えるために、キリストは復活されました。ヨハネの手紙第一には次のように言われています。「愛する者たち、わたしたちは、今既に神の子ですが、自分がどのようになるかは、まだ示されていません。しかし、御子が現れるとき、御子に似たものとなるということを知っています。なぜなら、そのとき御子をありのままに見るからです」(2章2節)。

 その朝、復活の主は、復活のことを理解できずに戸惑っているマリアの思いをしっかりと受けとめた上で彼女を新しい使命に送り出されました。わたしたちも、主の復活の証人として遣わされましょう。

(前川隆一牧師)