このぶどう酒がどこから来たのか、水をくんだ召し使いたちは知っていたが、世話役は知らなかった。                            ヨハネ2:9

 

イエス様がカナで、水をぶどう酒に変えて婚礼を祝福された奇跡のできごとです。

信頼
 今日の聖書を通して学びたい第一は、信頼ということです。マリアの「ぶどう酒がなくなりました」ということばに対するイエス様のお答えは「夫人よ、私とどんなかかわりがあるのです」という冷たいものでした。でもマリアのイエス様の信頼は揺らぎませんでした。それは、マリアの「すべて心に納めて、思い巡らす」信仰生活から来ていました(ルカ2章19節、51節)。わたしたちも、神様に対する信頼を身につけていくことがたいせつです。

服従
 第二に服従です。マリアは、召し使いたちに「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と言いつけました。わたしたちも、自分の思いが閉ざされたとき、あきらめるのでもなく、自分で先回りして走り回るのでもなく、主のみこころが何であるかを聴き分け、それに服従しようとする姿勢を身につけることがたいせつです。神様に信頼するとは、神様に信頼して何もしないということではなく、神様に信頼をおきつつ、今自分にできることを精一杯するということを意味しています。

知恵
第三に知恵です。神様に委ねるべきことと、自分がなすべきこととを見分ける知恵を身につけていくことがたいせつです。「神によってあなたがたはキリスト・イエスに結ばれ、このキリストは、わたしたちにとって神の知恵となり、義と聖と贖いとになられたのです」(Ⅰコリント1章30節)。わたしたちは、キリストの十字架を見上げることを通して、真の知恵を身につけることができるのです。

神様に委ねるべきことは委ねること。自分がなすべきことは精一杯なしていくこと。そして、その両者を見分ける知恵を身につけること、それは、処世術ではありません。弟子たちが、「それで、弟子たちはイエスを信じた」(11)とあるように、そのことを通してわたしたちも、より深くイエス様を知り、信じる者と導かれるのです。

(前川隆一牧師)