自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならない者はこのとおりだ。
ルカ12章21節
イエス様がお話になった「愚かな金持ち」のたとえ話です。
愚かさ
イエス様が、この金持ちのことを「愚か」とおっしゃった。それは、決して、この世の富、また、この世の富を追い求めることそれ自体、悪と言っておられたわけではありませんでした。自分に与えられているものを自分の所有物であるかのように思い込んでしまう。そして、それが、偶像になってしまう。そのことに対して、イエス様は、「愚か」とおっしゃったのでした。
賢い生き方
では第二に、イエス様が「愚か」とおっしゃった、その反対の「賢い」生き方とはどのようなものなのでしょうか。21節で、「自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならない者はこのとおりだ」と言われています。イエス様が「賢い」生き方と言われる、それは、「神の前に豊かになる」生き方です。第一テモテ6章17節で、こう言われています。「この世の富んでいる人々に命じなさい。高慢にならず、不確かな富に望みを置くのではなく、わたしたちにすべてのものを豊かに与えて楽しませてくださる神に望みを置くように。」自分の富、あるいは、自分の道徳的生活に土台を置くのではなく、それらを与えてくださった与え主である神に望みを置く。そのとき、その与え主である神様は、「わたしたちにすべてのものを豊かに与えて楽しませてくださる」というのです。なんと幸いなことでしょうか。
秘訣
では、最後に、イエス様が与えようとしておられる「賢い」生き方にわたしたちが生きる秘訣。それは、いったいどこにあるのでしょうか。わたしたちは、ほんとうの福音を聴く必要があります。聴き続ける必要があります。そのほんとうの福音、それは、イエス・キリストがわたしのために何をして下さったかという福音です。その福音を聴き、聴き続けることを通して、わたしたちは、イエス様が与えようとしておられる「賢い」生き方に生きることができるのです。
(前川隆一牧師)