「子どもたちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。」 マルコ10:14
「離縁について教える」、「子供を祝福する」と表題のつけられている箇所です。
原点
今日の箇所、ひと言で言うなら、「原点に返りなさい」そう教えられている箇所です。まず、前半の箇所ですが、6節で、「しかし、天地創造の初めから、神は人を男と女とにお造りになった」と言われている通り、創造という原点にまで立ち返るようにとイエス様はお勧めになりました。また、今日の後半も同じです。弟子たちが、まちがった特権意識によって、祝福を閉じ込めている。そのことに対して、イエス様がお叱りになり、祝福の源とされているという原点に立ち返るようにとお勧めになった。それがこの箇所ということです。
信頼
そして、第二のこと。イエス様は、何をもって、「神の国はこのような者たちのものである」とおっしゃったのか。それは、子どもたちの信頼ということです。無代価で、何の条件もなく、与えられる祝福を、何のためらいもなく受け取るということにおいて、子どもたちは、わたしたちの先生です。模範です。お手本です。
洗礼
わたしたちは、神様に信頼するようにと招かれています。では、神に信頼する。神に身を任せるというとき、それは、神に身を任せて、成り行きに任せるということなのでしょうか。なるようにしかならないとあきらめることなのでしょうか。そうではありません。神様に信頼し、身を任せるとき、わたしたちは、そこで、自分が神に愛されている子どもであるという新しいアイデンティティーを受け取ることができるのです。そのために、キリストが成してくださったこと、それは、十字架でした。十字架で命を献げるということでした。ですから、先ほど、原点ということを言いましたが、原点、それは、キリストの十字架の死と復活によって新しくされたという原点にまで、わたしたちは立ち返らなければならないのです。そして、それこそが、洗礼という原点なのです。
(前川隆一牧師)