イエスはすぐ彼らに話しかけられた。「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」。
マタイ14章27節
今日の箇所は、逆風のため波に悩まされている弟子たちのところへ、イエス様が湖の上を歩いて近づかれたできごとです。
強いて
今日の箇所を通して、第一に、イエス様が強いて弟子たちを舟に乗り込ませ向こう岸へ行かせられた、ということに心を留めたいと思います(22)。このイエス様のことばを聴いて従う、ということの中に信仰の本質があります。では、主のことばに聴いて従うなら何の問題もないのかというと、それはそうではありません。主のことばに聴き従う歩みにも逆風があります。嵐がやって来ます。でもしそれは、神様の訓練としての試練なのです。神の裁きではなく、神のゆるしの下に起こったできごとであることを覚えたいと思います。
安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。
イエス様は、弟子たちのもとに近づいて行かれましたが、最初弟子たちは、それを幽霊だと思い、叫び声をあげました。その弟子たちに向かってイエス様は、「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」とお声をかけられました(27)。わたしたちも、人生の嵐を経験します。先の見えない霧の中を行くようなときを経験します。そのような中で、わたしたちも主のおことばを握りたいと思います。「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」との主のおことばを握る者でありたいと思います。
ペトロの信仰
それがイエス様だと分かったペトロは、「主よ、あなたでしたら、わたしに命令してわたしに命令して、水の上を歩いてそちらに行かせてください」と願いました。それに対して、イエス様が「来なさい」と言われると、そのおことばに従って湖の上を歩いてイエス様に近づいて行きました。でも、途中で、イエス様から目を離し、波を見たペトロは、怖くなり、沈みそうになってしまいました。それが、ペトロでした。でも、ペトロの偉いところは、ともかく信仰の一歩を踏み出したことでした。そして、失敗したところで主に立ち返ったところでした。わたしたちは、舟に留まった他の弟子たちではなく、失敗を恐れないで主のことばに聴き従って行くペトロの信仰に歩む者とならせていただきたいと思います。
(前川隆一牧師)