イエスは舟から上がり、大勢の群集を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた。            マルコ6章34節

 
イエス様が五つのパンと二匹の魚で、男だけで五千人とありますから、一万人以上の人々を養われた奇跡のできごとです。

休みを与えて下さるお方
「さあ、あなた方だけで人里離れた所へ行って、しばらく休むがよい」(31)。第一に、イエス様はわたしたちに休みを与えて下さるお方であるということを覚えたいと思います。これができた、あれができた、という「何ができたかという世界」だけで生きるとき、わたしたちはからからになってしまうのです。イエス様は、何ができたかという世界から解き放ち、自分自身が何であるかという世界へとわたしたちを招いて下さるお方です。そして、わたしたちに休みを、魂の安息を与えて下さるお方です。

奉仕へと招かれるお方
イエス様は、「あなた方だけで人里離れた所へ行って、しばらく休むがよい」と弟子たちを休みへといざなわれました。その人里離れたところへも人々は押し寄せて来ました。その人々を見て、イエス様は、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れんで、仕えて行かれた、それが、今日のできごとでした。そして、イエス様は人々に仕えるに当たって、弟子たちをその奉仕に巻き込んで行かれました。イエス様は、弟子たちを奉仕に招かれたように、わたしたちをも奉仕へと招かれるお方です。それが今日覚えたい第二のことがらです。

いのちを与えて下さるお方
そして第三に、イエス様はいのちを与えるお方です。イエス様は、「わたしの後に従いたい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのため、また福音のために命を失う者は、それを救うのである」とおっしゃいました(マルコ8章34~35節)。イエス様の十字架のご愛に対する応答として他の人に仕えて行く、そのことを通して、わたしたちは主のいのちに預かることができるのです。

(前川隆一牧師)