あなたがたが信仰によって働き、愛のために労苦し、また、わたしたちの主イエス・キリストに対する、希望を持って忍耐していることを、わたしたちは絶えず父である神の御前で心に留めているのです。 テサロニケの信徒への第一の手紙1章3節
手紙の冒頭部分であり、パウロのテサロニケのクリスチャンに対する感謝のことばがあふれています。
信仰、希望、愛
テサロニケのクリスチャンたちのすばらしい信仰の姿、姿勢というものをよく表している表現、それが、3節に出て来ます。「あなたがたが信仰によって働き、愛のために労苦し、また、わたしたちの主イエス・キリストに対する、希望を持って忍耐していることを、わたしたちは絶えず父である神の御前で心に留めているのです」。ここで、「信仰によって働き」、「信仰による働き」ということ、「愛による労苦」ということ、「主イエス・キリストに対する、希望を持って忍耐し」「主イエス・キリストに対する信仰に基づく忍耐」ということが言われています。「信仰」「愛」「希望」、「信仰」「希望」「愛」ということは、コリント信徒への手紙にも出て来ますが、ここでは、「信仰による働き」、「愛による労苦」「主イエス・キリストに対する信仰に基づく忍耐」と、より具体的な表現として、ここで、記されています。
模範の力
「信仰による働き」、「愛による労苦」、「主イエス・キリストに対する信仰に基づく忍耐」。では、テサロニケのクリスチャンたちは、どのようにしてそのようなすばらしい信仰の姿勢を身につけることができたのでしょうか。それは、模範ということでした。パウロの模範ということでした(6~7)。それは、パウロの立派さを模範にしたということではありませんでした。パウロ自身、自分の弱さを深く自覚していました。けれども、パウロは、その弱さを神様に差し出し、神様から恵みをいただいて、前進して行きました。そのパウロの信仰の姿を、テサロニケの人々は、模範にしたということでした。パウロが、弱さを抱えながら、それでも主を見上げて歩んで行ったその姿を模範とし、その上で、キリストを模範として仕える者として歩む、そのようにとわたしたちは招かれているのです。
(前川隆一牧師)