それは、あなたがたが最初の日から今日まで、福音にあずかっているからです。
                           フィリピ1章5節

フィリピの信徒への祈りと表題のつけられている部分です。

福音にあずからせて下さるお方
今日の箇所を通して、パウロが自分の信じる神様がどんなお方であると言っているか、その三つのことを心に留めたいと思います。第一、それは、福音にあずからせて下さるお方ということです。「あなたがた一同のために祈る度に、いつも喜びを持って祈っています。それは、あなたがたが最初の日から今日まで、福音にあずかっているからです」(4~5)。わたしたちは、いろいろな仕方でキリストとの出会いを経験します。でも、いずれにしても、わたしたちは、自分の努力や功績ではなく、恵みにより福音にあずからせていただいたのです。

救いを完成して下さるお方
第二に、それは、救いを完成して下さるお方です。「あなたがたの中で善い業を始められた方が、キリスト・イエスの日までに、その業を成し遂げてくださると、わたしたちは確信しています」(6)。わたしたちのキリスト信仰、それは、わたしたちの努力や功績ではなく、恵みにより、それを受け取る信仰によって、福音にあずからせていただくという信仰です。そして、救いの完成に至るまで、神様がわたしたちをとらえて、持ち運んで下さるという信仰です。ただ一つ条件があります。それは、悔い改めということです。

福音を前進させて下さるお方
第三に、それは、福音を前進させて下さるお方です。「兄弟たち、わたしたちの身に起こったことが、かえって福音の前進に役立ったと知ってほしい」(12)。パウロは、このとき、獄中にいました。捕らわれの身でした。けれども、パウロが獄中で語った福音は、兵営全体に口コミで広まって行きました。そして、パウロの番をしていたのが、近衛兵でしたから、彼らを通して、ローマの皇族にまで福音は伝わって行ったのでした。わたしたちにとって、マイナスと思えるできごと。けれども、そのできごとを通してさえ、神様は、福音を前進させて下さるお方です。

(前川隆一牧師)