こういうわけで、わたしたちは、憐れみを受けた者としてこの務めを委ねられているのですから、落胆しません。               Ⅱコリント4:1
 今日の福音書は、変貌山のできごとです。

栄光
 イエス様の変貌には、二つのたいせつなポイントがあります。第一に、イエス様の栄光、それは、どのような栄光であったのかということです。一つの答えは、イエス・キリストがもともと持っておられた栄光が外に向かって輝き出たできごとであるという答えです。それは、それでまちがいではありません。けれども、もう一つの答え、それは、イエス様が多くの苦しみを受け、その後に、父なる神様からお受けになる栄光ということです。十字架の死の後に、やがていただく栄光、復活を通して、もっと言えば再臨を通して、やがていただく栄光を先取りして経験されたできごと、それが、この変貌山のできごとであるということです。

これはわたしの子、選ばれた者。これに聞け。
もう一つのこと、それは、「これはわたしの子、選ばれた者。これに聞け」との父なる神様の御声がかかったわけですが、その御声がだれに向けて語られた御声であったのかということです。「これに聞け」と言われていますから、イエス様に対してというより、ペトロやヨハネやヤコブ、弟子たちに向かって語られた御声であったということが分かります。ペトロやヨハネやヤコブは、「これに聞け」との父なる神様の御声をいただきました。「これに聞け」。「これに聞いて従え」。「従って、山を下りよ」との御声をいただきました。それにもかかわらず、リーダー格であるペトロが、ここに留まりたい。ずっとここにいたい。そのような気持ちを表したできごと、それが、この変貌山のできごとであったということです。

落胆せず
ベターを横において、ベストを選び取って行く、それが、信仰生活の歩みです。ときには、しんどいと思えるときもあります。きびしいと思えるときもあります。けれども、その道を選び取って行くとき、わたしたちは、決して落胆することはないのです(Ⅱコリント4:1)。

(前川隆一牧師)