あなたは御自分の息を送って彼らを創造し 地の面を新たにされる。
詩編104編30節
自然を通して、それを創造された神様を賛美する詩編104編です。
有機性
詩編104編は、9節までの天地創造のパノラマと言えるような内容。10節の「主は泉を湧き上がらせて川とし 山々の間を流れさせられた」という場面転換を受けて、地球動物園と言えるようなほほえましい内容となっています。その全体を通して教えられること、それは第一に、自然における有機性ということです。すべてが結びついて、密接なかかわりと統一性をもって存在している。単体では決して意味をもちえない連帯性、調和をもって存在しているということです。
唐突な祈り
そのように自然を通して、それを造られた神様が賛美されている詩編104編、けれども、その最後は、唐突と思えるようなことが語られています。35節、「どうか、罪ある者がこの地からすべてうけ 主の逆らう者がもはや跡を絶つように。わたしの魂よ、主をたたえよ。ハレルヤ。」これは、そのような有機的な世界、調和の世界が人間の罪によって壊されてしまった。虚無に服するものとなってしまった。その虚無に服せられたお方によって本来の創造の目的にかなった世界へとすべてを一新して下さるようにとの祈り、それがこの祈りということです。
神の息
そのようなことを前提として、先ほど見た10節の川の描写、それは、30節のみことばと響き合って、聖霊の流れの川という風に再解釈することもできます。30節、「あなたは御自分の息を送って彼らを創造し 地の面を新たにされる。」世界の危機を救う定式、それは、わたしたち一人一人が結び合わされ、有機的に生かされることを通してです。そのわたしたちのために、キリストが十字架で死んで下さいました。そして、復活して下さいました。そして、キリストを信じるわたしたちに聖霊を豊かに注いで下さるのです。聖霊を受け、聖霊によって生きる、そこに、この世界の救いがあり、希望があるのです。
(前川隆一牧師)