しかし、イエスはこれを見て憤り、弟子たちに言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。」
マルコ10章14節
「離縁について教える」、「子供を祝福する」と表題のつけられている箇所です。
原点に返る
今日の箇所、ひと言で言うなら、「原点に返りなさい」そう教えられている箇所。そう言うことができます。まず、前半の箇所ですが、イエス様は、人間的な戒めに基づいてああでもない、こうでもないと議論している人々に対して、「原点に返るように」とお勧めになったということです。それは、神様が、人間を男と女に創造された。そして、一人の男性と一人の女性とが結ばれて、家庭を築き、そのことを通して、神の栄光を現して行くようにと定められた。その創造という原点にまで立ち返るようにとイエス様はお勧めになったということです(6)。
また、後半もそうです。イエス様は、「子どもたちを抱き上げ、手を置いて祝福された。」そう言われています(16)。イエス様は、わたしたちを祝福するためにお出でになりました。祝福の源としてお出でになりました。そして、弟子たちもまた、祝福の源となるようにとイエス様によって招かれた存在でした。その弟子たちが、まちがった特権意識によって、祝福を閉じ込めている。それに対して、イエス様がお叱りになった。そして、祝福の源とされているという原点に立ち返るようにとお勧めになった。それがこの箇所であるということです。
信頼
そして、もう一つのこと。イエス様は、何をもって、「神の国はこのような者たちのものである」とおっしゃったのでしょうか。それは、子どもたちの信頼ということです。無代価で、何の条件もなく、与えられる祝福を、何のためらいもなく受け取るということにおいて、子どもたちは、わたしたちの先生です。模範です。お手本です。幼子のような信頼をもって、この救い主を信じる信仰によって、わたしたちは、原点に立ち返ることができるのです。幼子のような信頼をもって、この救い主を信じる信仰によって、わたしたちは、人生をやり直すことができるのです。
(前川隆一牧師)