すると、「これわわたしの子、選ばれた者。これに聞け」という声が雲の中から聞こえた。
ルカによる福音書9章35節
ペトロ、ヨハネ、ヤコブの三人の弟子たけを伴ってお登りになった山の上で、イエス様のお姿が変わったというできごとです。
闇
第一に、イエス様は弟子たちを闇へといざなわれました。弟子たちをその自分の内にある闇に直面させられました。イスラエルの民は、繰り返し繰り返し、神を捨てました。足蹴にしました。でも、多くの場合、それを罪と認識することができませんでした。わたしたちも闇を抱えています。その根源において、イスラエルの民と同じ罪を持っているのです。
光
イエス様は、弟子たちを闇へといざなわれました。弟子たちをその自分の内にある闇に直面させられました。そして、その闇の中で、光として輝いたお姿に変わられました。それは、イエス様が本来持っておられた神としての栄光でした。わたしの内に光はありません。でも、イエス様の内には、光が、希望の光が輝いています。わたしたちは、このイエス様の内に光を見出していく者でありたいと思います。
これに聞け
ペトロは、イエス様のお姿が光り輝くお姿に変わり、モーセとエリヤが現れてイエス様と語り合っているそのすばらしい光景を目の当たりにしたとき、「仮小屋を三つ建てましょう」と言いました。それは、ペトロの「このすばらしいところに留まりたい」という気持ちを表していました。でも、そのとき、雲が現れて彼らを覆い、「これはわたしの子、選ばれた者。これに聞け」という声が聞こえました。イエス様に聞くように、聞いて従うように、聞いて従って山を降りるように、そのようにペトロは父なる神様から語りかけられました。そして、わたしたちもそのように招かれているのです。でもそれは、決して容易なことではありません。それは、わたしたちの罪ゆえに、主の御声を聞くことができないのです。キリストは十字架への道を歩んで下さいました。それは、その罪を取り除くためだったのでした。
(前川隆一牧師)