「あなたがたは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。」 ヨハネ8章32節
イエス様がほんとうの自由ということについて教えておられる箇所です。
偽りの自由
ほんとうの自由がある限り、偽りの自由もあります。ユダヤ人たちは、「わたしたちはアブラハムの子孫です。今までだれかの奴隷になったことはありません。『あなたたちは自由になる』とどうして言われるのですか」(33)といいました。けれども、ほんとうにそうでしょうか。わたしたちは、罪の奴隷、律法の奴隷なのではないでしょうか。「人が自由になるということはいったいどういうことなのだろう、と彼女はよく自問した。たとえひとつの檻からうまく抜け出すことができたとしても、そこもまた別の、もっと大きな檻の中でしかないということなのだろうか?」(ある小説の一節)
ほんとうに自由
では、ほんとうの自由とは、どのような自由なのでしょうか。わたしたちは、ちょっとしたことで不安になり、迷信を信じてしまう弱い者です。ほんとうの自由それは、そんなわたしたちが、いろいろな人のことばに振り回されなくなるということです。また、義務として、お勤めとして神と人とに仕えて生きる生き方ではなく、喜んで、自発的に神と人とに仕えて生きる者とされる、ということです。さらに、自分のような者は・・・とあきらめてしまうのでなく、積極的に自分の人生の可能性にチャレンジして生きる者とされる、ということです。
真理はあなたを自由にする
では、そのようなほんとうの自由を与えて下さる真理とは、どのようなものなのでしょうか。一般に、「真理」と言うと、何か冷たい概念のように思います。しかし、イエス・キリストは、「わたしは道であり、真理であり、命である」とおっしゃいました(ヨハネ14章6節)。イエスをキリストと信じるキリスト信仰、それは、宗教ではありません。宗教それは、下から上への真理の探究です。それに対して、キリストは、上から下にわたしたちを罪の裁きから救うために来て下さった救い主なのです。このキリストこそ、わたしたちにほんとうの自由を与えて下さるお方なのです。
(前川隆一牧師)