それから、群衆を弟子たちと共に呼び寄せて言われた。「わたしの後に従いたい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。」

マルコ8章34節

ペトロの信仰告白とイエス様が最初の受難予告をなさった場面です。

信仰告白

このできごとは、わたしたちにとって、キリストを信じる信仰の原点と言えるできごとです。第一に、それは、告白、信仰告白ということです。「告白」ということばを聞くと、わたしたちは、二つのことを思い浮かべます。それは、「罪の告白」ということと、いわゆる、「プロポーズ」という意味での告白ということです。「信仰告白」、それは、「プロポーズする」という意味での「告白」に近いと言うことができます。神様が、イエス・キリストを通して、「あなたを愛する」と言って下さっている。それを受け入れる。受け留める。それが、信仰告白ということです。そして、そのようにイエスをキリストと告白した人々の群れを、主は教会として下さるのです。キリストを頭とするキリストのからだ、教会の一部とされた。それがわたしたちであるということを覚え、与えられた使命を果たして行く者とならせていただきたいと思います。

従う

第二に、今日覚えたい。それは、キリストを信じたわたしたちは、キリストに従うようにと召されている、ということです(34)。イエス様は、ご自分のことを「人の子」とおっしゃいました。それは、イエス様は、アダムが罪を犯す前の人間。神様が神のかたちに創造された人間。言わば、ほんとうの人間としてお出でになったということです。そして、わたしたちは、このイエス・キリストを信じ、キリストに聴き従って歩むことを通して、ほんとうの人間としていただくのです。わたしたちは、信仰の歩みの中で、道が閉ざされる経験をします。挫折するという経験をします。けれども、そのことを通して、わたしたちは、けんそんにされるのです。神様に頼る者とされるのです。人を思いやる者とされるのです。そして、ほんとうの人間としていただくことができるのです。

(前川隆一牧師)