だから、主にいやしていただくために、罪を告白し合い、互いのために祈りなさい。正しい人の祈りは、大きな力があり、効果をもたらします。  ヤコブ5章16節
 
祈りについて教えているところです。

二つの祈り
第一、大切な二つの祈りということが教えられています。「あなたがたの中で苦しんでいる人は、祈りなさい。喜んでいる人は、賛美の歌を歌いなさい」(13)。二つの祈り、それは、「アーメン」の祈りと「ハレルヤ」の祈りです。苦しい現実の中で、心を注ぎ出して祈る祈り、それが、「アーメン」の祈りです。そして、「ハレルヤ」の祈り、それは、喜ばしい経験をしたとき、感謝すべきことがあったとき、「ハレルヤ」と神様を賛美する祈り、神様に感謝する祈りです。苦しいとき、喜ばしいとき、神様のもとへそれを持って行く、それが祈りであるということです。

どのように祈りが聴かれるか
第二に、わたしたちの祈りがどのように聴かれるのでしょうか。ある場合には、祈ってすぐ聴かれます。ある場合には、時間をおいて聴かれます。ある場合には、祈りは、時間をおいて、聴かれます。また、ある場合には、聴かれないということが祈りの答えという場合もあります。信じて祈って、聴かれないという答えをもらった場合、パウロのように、すっきりとした信仰に立つことができます。たいせつなこと、それは、正直に祈るということです。信仰を持って祈るということです。

正しい人の祈り
第三に、「正しい人の祈りは、大きな力があります」とありますが、「正しい人」とはどのような人なのでしょうか。その例として、エリヤという人の名前が出て来ます。エリヤは、まさに、「正しい人」と呼ばれるにふさわしい人物です。けれども、ヤコブの手紙は、エリヤのことを、「わたしたちと同じような人間」と言っています。エリヤの祈りが聴かれた、それは、決して、エリヤが偉大だったからではありませんでした。そうではなく、エリヤが祈ったからでした。信頼をもって祈ったからでした。「正しい人」、それは、人間的に正しい人ということではなく、神様の前に正しい者とされた人、神様に義としていただいた人ということです。

(前川隆一牧師)