荘厳な栄光の中から、「これはわたしの愛する子。わたしの心に適う者」というような声があって、主イエスは父である神から誉れと栄光をお受けになりました」。
Ⅱペトロ1章17節
ペトロが変貌山のできごとを回想しながら、クリスチャンたちを励ましている部分です。
バランス
このペトロ第二の手紙には、堂々とした信仰、非常にバランスのとれた信仰ということが記されています。ペトロの第一に手紙が書かれた時代は、外からの迫害が非常に厳しい時代でした。それに対して、このペトロの第二の手紙が書かれた時代は、外からの迫害は下火になっていましたが、まちがった教えによって教会が内側から揺り動かされようとしている時代でした。わたしたちも外からの攻撃とともに、内からの攻撃、さまざまな攻撃によって揺り動かされます。そのような中で、たいせつなこと、それは、このバランス感覚ということです。
栄光
堂々とした信仰、非常にバランスの取れた信仰、ペトロはそれをどのようにして身につけて行ったのでしょうか。その根源において、今日の福音書の箇所のできごと、イエス様の変貌のできごとがありました。今日の使徒書、ペトロ第二の手紙において、ペトロは、そのことをふり返っています(16~17)。そこにおいて鍵になることば、それは、栄光ということばです。
神の栄光のために生きる
わたしたち人間の孤独、苦しみ、悲しみ、そのいちばん根本のところにおいて、罪がわたしたちの現実の中に入り込んで来たことに原因がある、と聖書は語っています。だから、わたしたちは、神の栄光を受けることができなくなってしまったのです。そのわたしたちを救い出し、神の子とし、永遠の命を受け継ぐ者とするために、わたしたちの身代わりに死んで下さった、それが、イエス・キリストの十字架のできごとでした。キリストの再臨を望みつつ、キリストの十字架の愛に押し出されて神の栄光のために生きる、そのことを通して、わたしたちは、正しいバランス感覚をもって生きることができるのです。
(前川隆一牧師)