しかし、わたしの言葉を聞いているあなたがたに言っておく。敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい。 ルカ6章27節
「しかし、わたしの言葉を聞いているあなたがたに言っておく。敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい。」ということで始まるイエス様の平地の説教です。
義人
この箇所、どういう枠組みの中でこのことが語られているかということがたいせつです。「敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい」と言われているその枠組み、それは、「わたしの言葉を聞いているあなたがたに言っておく。」そうイエス様はおっしゃいました。つまり、イエス様のことばに聴き、それに従おうとする人々が経験する迫害、攻撃ということが直接的にはここで言われているということです。キリストを信じる者として、愛し続け、赦し続ける、その根拠、よりどころ、それは、第一に、詩編37編39節です。「主に従う人」ということが言われています。わたし自身が、神に敵対していたところから救われた。義とされた。それが、それでもなお、愛し続ける。赦し続ける、その第一の根拠、よりどころです。
報い
第二のこと、それは、「報い」ということ(ルカ6章35節)です。それでもなお、愛し続ける。赦し続ける。その第二のよりどころ、それは、「いと高き方の子となる。」神様が、キリストにあってわたしたちを神の子とし、愛のまなざしをもって見つめ、見つめ続けて下さっているということです。
新しい秤
そして、第三のこと、それは、新しい秤ということです(38節)。神様は、実は、二つの秤を持っておられます。一つは、律法の秤、もう一つは、福音の秤です。律法の秤、それは、足し算の世界です。それに対して、福音の世界、それは、掛け算の世界です。父なる神様は、キリストにあってわたしたちを神の子とし、愛のまなざしをもって見つめ、見つめ続けて下さっています。そして、そこにおいて、わたしたちは、神様が無限大の愛で愛して下さっている福音の世界を経験することができるのです。その神様の無限大の愛を受け、わたしたちは、なお愛し続け、赦し続けて行くのです。
(前川隆一牧師)