ヨハネ20:19-31
- 聖書は語り部
聖書は、直接イエス・キリストを目撃した弟子たちの証言に基づき、その福音を現代の私たちに語り継ぐ「語り部」です。それは、2つの大震災の記憶を語り継ぐ子供たちや高校生の活動と共鳴します。直接体験していなくとも、語り継がれる言葉を通して、私たちは過去の出来事と深く繋がり、実感できるものとされるのです。
- 追体験と実体験
イエス様は復活後、弟子たちに現れ、「聖霊を受けよ」と宣言されました。不在だったトマスは、復活の直接的証拠を求めましたが、イエス様は「見ないのに信じる者は幸いである」と言われました。この言葉は、聖霊を通して信仰が与えられ、イエス様の救いを個人的に「追体験」できる私たちへの慰めと希望です。
- 聖霊を受ける
聖霊によって信仰を与えられた私たちは、「実体験」していないイエス様の十字架と復活を、あたかも自身の経験のように深く理解することができます。この福音の「追体験」こそが、私たちを新たな「語り部」へと駆り立てる力となるのです。
- 我も語り部
ヨハネの手紙一に「いまだかつて神を見た者はいません」とありますが、聖書という「語り部」を通して、私たちは神の愛を知ります。大切なのは、自分の罪を認め、ありのままで神の赦しをいただくことです。
二千年にわたる語り部たちの働きによって、私たちはイエス・キリストの福音を追体験してきました。今度は私たちが、それぞれの生活を通して、そのイエス様の愛と救いを、次の世代へと語り継ぐ使命を担っています。聖霊を受けた私たちは、「我も語り部」として、福音を宣べ伝えていくのです。
(松田勝長老)