しかし、悪霊があなたがたに服従するからといって、喜んではならない。むしろ、あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい。  ルカ10章20節
 
イエス様が、帰って来た七十二人の報告をお受けになった場面です。

名前
今日の個所で心に留めたい。それは、「名前」ということです。第一に、七十二人の弟子たちはイエスの名によって遣わされました。第二に、そのことを通して、彼らはイエスの名の力を経験しました。そして、第三に、その弟子たちに向かって、イエス様は、「あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい」と言われました。

七十二人
さて、この「七十二人」ということを、わたしたちは、どのように受け取り、理解したらよいのでしょうか。復活の主は、最初の証人として、マグダラのマリアを選ばれました。マリアは、「男性ではなく女性、共同体の中心人物ではなく精神を病んでいたこともある回心者、リーダーの一人ではなく支援者の一人」でした。この七十二人もまた、マグダラのマリアと同じように中心からは外れた人々でした。言わば、「ネームレス」、名もなき人々でした。その名もなき人々をイエス様は選び、イエス様の名により遣わされたのでした。

名もなき者
イエス様は名もなき人々を選び、イエス様の名により遣わされました。それは、あの初代教会のできごとへとつながって行きます。散らされた名もなき人々がイエスの名により遣わされたところどころで、福音を伝え、教会を建て上げて行った。そして、そこへ教職を迎えて行った。そのことを通して、福音は広がって行ったのでした。そして、それは、今日のわたしたちの現実へとつながって行くのです。わたしたちは、イエス様に名前を呼んでいただいた、そのことを誇りとする一人一人でありたいと思います。そして、このところから、イエスの名により、遣わされる者であることを自覚したいと思います。そして、イエス様の名前の力を経験する一週間へと送り出されたい。そう願います。

(前川隆一牧師)