神は、わたしたちの福音すなわちイエス・キリストについての宣教によって、あなたがたを強めることがおできになります。この福音は、世々にわたって隠されていた、秘められた計画を啓示するものです。         ローマ16章25節
ローマ信徒への手紙のしめくくりの箇所です。

福音
25節で、「神は、・・・あなたがたを強めることがおできになります」と言われています。神様は、どのようにわたしたちを強めて下さるのでしょうか。第一に、「福音」ということが言われています。「福音」、それは、「喜びの訪れ」ということです。そして、神様が、イエス様が下さる「福音」、「喜びの訪れ」、それは、状況によって左右されない喜びです。

秘められた計画
第二に、その福音は、「秘められた計画」「奥義」であると言われています。パウロの書簡で、「秘められた計画」、それが何を指しているのかと言うと、それは、ユダヤ人だけではなく、異邦人も救われるということが、「秘められた計画」の内容です。そして、「奥義」と言うとき、それは、英語では、「ミステリー」です。では、どうして、ユダヤ人だけではなく、異邦人も救われるということが、「奥義」、「ミステリー」なのでしょうか。民族を超え、いろいろな考え方を超えて、立場を超えて、いっしょにいることができる。それが、教会です。神の家族です。でも、それは、人間的にはあり得ないことがらです。そして、それこそが、「奥義」「ミステリー」と言われる所以であるということです。

キリストについての宣教
第三に、「福音」、それは、「キリストについての宣教」であるということが言われています。福音、それは、状況によって左右されない喜びの訪れです。また、ユダヤ人だけではなく、すべての人に開かれている喜びの訪れです。それは、人間の努力やがんばりによって可能なことではありません。神が人となって下さる。無限のお方が有限の存在となって下さる。それは、わたしたち人間の罪を負い、身代わりに死ぬために、人となって下さるということを抜きにあり得ないことがらです。そして、それが、クリスマスなのです。

(前川隆一牧師)