測り縄は麗しい地を示し わたしは輝かしい嗣業を受けました。 詩編16編6節
カナン帰還から、アブラムとロトとの別れまでのできごとが記されています。
信仰による礼拝
カナンへの帰還、それは、アブラムにとって物理的な帰還だけでなく、神様のもとに立ち返るできごとでした(3~4)。わたしたちも道をまちがえたなら原点に立ち返ればよいのです。たいせつなことは、自分で決断し、小さな一歩でも自分の足で一歩一歩歩むことです。そのことを通して、失敗をも、いや、失敗を通して特に多くのことを学んで行くことができるのです。
信仰による祝福
アブラムは、カナンに帰還しました。たくさんの財産のおまけつきでカナンに帰還しました(2)。それは、エジプトの王が、これ以上アブラムとサライのことで災いが降りかかることがないようにと贈り物を付けて送り出してくれたからでした。エジプトにおいて落ち度があったのはアブラムの方でした。それにもかかわらず、アブラムは思いもかけない財産を手に入れることとなりました。神様にえこひいきされているとしか思えない、そんな経験をアブラムは積み重ねて行きます。わたしたちも、自分は神様にえこひいきされている、と思えるような信仰の人生を歩むようにと招かれているのです。
信仰による選択
アブラムは、たくさんの財産のおまけつきでカナンに帰還しました。でも、その財産が、後に災いのもととなって行きました。家畜に食べさせる牧草地のことで、アブラムとロトの使用人との間でいさかいが持ち上がるようになりました。そのとき、アブラムは、最善をなして下さる神様に信頼して、あっさり甥のロトに土地の所有権を与えてしまいます。ロトが選んだ後、アブラムに残った土地は荒れ地でした。でも、そのアブラムに、神様は、豊かな祝福の約束を与えられました(14~17)。アブラムは、物質的な祝福より、その祝福の与え主に目を留めていました。そこにアブラムの祝福の秘訣がありました。
(前川隆一牧師)