あくまでも忍耐しなさい。そうすれば、完全で申し分なく、何一つ欠けたところのない人になります。                     ヤコブ1章4節
 
ヤコブの手紙の冒頭部分です。

試して下さる
ヤコブの手紙は、差し迫った問題の中にある人々のために、このことも書いておこう、あのことも言っておこう、といった感じで書かれた手紙です。今日の箇所、1節のあいさつのことばもそこそこに、2節、「試練」ということが言われています。しかも、その「試練」を「この上ない喜びと思いなさい」と言われています。それは、3節で、「信仰が試されることで」と言われています。第一に、神様が、試練を通して、わたしたちの信仰を試して下さる。わたしたちの信仰を試して、よりよく神様に仕え、人々に仕えることのできる信仰として下さる、ということです。

忍耐を与えて下さい
第二のこと、3節にこうあります。「信仰が試されることで忍耐が生じると、あなたがたは知っています」。信仰が試されることで、得られるものがある。それは、忍耐である、ということが言われています。南の海の魚は、海の水が温かいために、身がしまっておらず、大味です。同じ魚でも、水が冷たいところにいたものは、身が引き締まっていて、おいしい。試練を通して、神様は、忍耐というすばらしい宝物を与えようとしておられる。試練を通して、身の引き締まった魚にしようとして下さっている、ということです。

成長させて下さる
第三に覚えたいこと、それは、わたしたちを成長させて下さるということです。4節、「あくまでも忍耐しなさい。そうすれば、完全で申し分なく、何一つ欠けたところのない人になります」と言われています。信仰が試されることによって生じた忍耐を働かせることによって、わたしたちは、成長することができるということです。神様は、決して試練の中で、わたしたちをつぶそうとしておられるお方ではなく、試練の中で、わたしたちが忍耐を働かせることを通して、成長するようにと願っておられるお方である、ということです。

(前川隆一牧師)