イエスは答えて言われた。「この神殿を壊して見よ。三日で建て直してみせる。」
ヨハネ2章19節
宮きよめのできごとです。
手段を目的に
イエス様が怒りをあらわにされた。感情をむき出しにされた珍しいできごとです。イエス様が怒られた理由、それを、少なくとも三つくらい挙げることができます。それは、第一に、神を礼拝すべき神殿が、人々の貪欲の巷となっている。そのことに、イエス様は怒られました。第二に、それは、愛の欠如ということにイエス様は怒られました。ユダヤ人以外の外国人、異邦人が、ここまでなら入ってよろしいと許されていた異邦人の庭。けれども、そこは、とても静かに神を礼拝できるような場所ではなくなっていました。そして、第三に、このことが一番中心的なことがらですが、手段が目的となっているということに、イエス様は怒られました。
三日で建て直してみせる
そのようなことと合わせて、今日の箇所を通して、わたしたちが覚える必要がある、それは、手段と目的ということを言いましたが、その目的をわたしたちが行うことができなくなっているということです。そして、そのわたしたちのために、キリストが十字架への道を歩んで下さったということです。宮きよめをなさった後、「あなたは、こんなことをするからには、どんなしるしをわたしたちに見せるつもりか」と言い募るユダヤ教の指導者たちに対して、イエス様は、「この神殿を壊して見よ。三日で建て直して見せる。」そうおっしゃいました。人々は、壮大な神殿を見上げ、「この神殿は建てるのに46年もかかったのに、あなたは三日で建て直すのか。」と言いました。けれども、イエス様がおっしゃった、それは、ご自分のお体のことをおっしゃっておられたのでした。まことの礼拝をすることができなくなっているわたしたちのその罪を贖うために、キリストは、十字架で命を献げて下さいました。そして、そのことを通して、救いの道、命の道、神様へのまことの礼拝の道が開かれたことの保証として三日目に復活して下さったのです。
(前川隆一牧師)