主イエス・キリストを身にまといなさい。欲望を満足させようとして、肉に心を用いてはなりません。 ローマ13章14節
「救いは近づいている」表題のつけられているところです。
闇の力
「品位」ということ言われています(13)。品位」とは、自動車にアクセルとブレーキがある。そのブレーキみたいなものと考えたらよいと思います。食欲があるからと言って、人のものを食べてしまっては、盗みになってしまいます。お腹が空いていても、お金がなければ、家まで我慢する。さらに言えば、ものが少ない中にあって、他の人と分かち合う。それが、品位ということです。「日中を歩むように、品位をもって歩もうではありませんか」と言われているということは、そのような品位をもって歩むことを妨げる力が働いているということです。
キリストを身にまとう
第二に、そのような力、闇の力が働いているその中で、どのように生きるようにと勧められているのでしょうか。「主イエス・キリストを身にまといなさい。」そう勧められているということです。わたしの救い、それは、わたしの内側ではなく、わたしの外側で、キリストの十字架と復活において成し遂げられたのです。その救いを、着物をまとうように外側から着る。そのときに、わたしたちの内側の心も変えられて行くということを経験するのです。
わたしたち
最後に、パウロは、繰り返し「あなたがた」と言いながら、ただ一度、「わたしたち」と言いました(11)。キリストを身にまとわせていただいたわたしたち、けれども、地上の生涯を生きるかぎり、闇の力の脅威を受け続けるのです。それは、闇の力に覆われている人々の心に共感するためにです。そして、その人々の、闇の力から解放して下さるキリストをご紹介するためにです。パウロは、「わたしたち」と同じ目線で語りかけているということです。キリストを身にまとわせたいただいた者、とともに闇の力の脅威のもとにいる者という立ち位置で語ろうとしているということです。
(前川隆一牧師)