それから、群集を弟子たちと共に呼び寄せて言われた。「わたしの後に従いたい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。」
マルコ8章34節
フィリポ・カイザリアにおいて、ペトロが「あなたは、メシアです」と、イエス様に対する信仰を言い表した場面、それに続いてイエス様が第一回目の死と復活の予告をなさった場面です。
信仰告白
第一に心に留めたいこと、それは、ペトロの信仰告白、そして、それをイエス様がおほめになった、喜ばれた、ということです。イエス様は、心血を注ぐようにして、弟子たちを育てていかれました。そして、その働きの折り返し地点として、「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか」とお尋ねになりました。弟子たちは、この時点で、何かができたということはありませんでした。でも、ペトロが代表して、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた、それは、イエス様にとって何よりの喜びであったに違いありません。
キリストに従う
第二に覚えたいこと、それは、イエス様が、信仰告白をしたペトロに、そして、わたしたちにイエス様に従うことを求めておられる、ということです。ペトロがこの時点で考えていたメシア、それは、ローマの支配を蹴散らし、イスラエル王国を再建する地上の王としてのメシアでした。ですから、イエス様が「人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺される」と予告なさったとき、「そんなことがあってはなりません」とイエス様をいさめようとしました。そのとき、イエス様は、「サタン、引き下がれ」とペトロにおっしゃいました。この「引き下がれ」ということばは、「わたしの後ろにまわれ」と言う意味のことばが使われています。
はっきりと見えるように
信仰告白と、主に従うこと、それは、信仰生活の両輪です。そして、わたしたちはイエス様に従えば従うほど、あのベトサイダの盲人(マルコ8章22~26)のように、よりはっきりとイエス様がどんなお方か見えるようにされるのです。
(前川隆一牧師)