聖霊降臨後第15主日・「天の御国への招待」

2023年9月10日（日）

人にとって天の御国は、是が非でも入らなくてはならない処です。

そのためイエス様は、罪を犯した兄弟が滅んでしまわないように、あなたは＜何とかして、その兄弟を取り戻すように＞勧められています。

そこには罪を犯した者への配慮を見ます。それは「あなたの方から出かけて行き」、「二人だけのところで」、「罪を指摘しなさい」と言われていることです。

神は、罪を曖昧にはされません。罪は罪として処罰されなければならないのです。

それでも悔い改めないなら「ほかに一人か二人、一緒に連れて行きなさい」と言われています。これは律法の規定に定められた勧告です。

しかしながら、個人的な忠告も律法による勧告も聞き入れないなら、「教会に伝えなさい」と言われています。それでも、そこには愛の配慮がなければなりません。

教会は神の愛を実践するところであり、罪を裁く処ではありません。

イエス様は17節で「教会の言うことさえも聞き入れないなら、‥」と言われていますが、これは、教会はどんなことが起きても、神の愛に基づいて行動することが前提となっています。

それは、その者が罪を悔い改めた時には、再び教会の交わりの中に戻ることを願う思いが流れているからです。

このイエス様のことばには、私たちへの切実な願いの声が響いています。「お願いだから、罪を犯した者が、再び教会の交わりに戻るように祈って欲しい。わたしは、その者をも天の御国へ招きたい」と。

罪を指摘されることは気持ちの良い事ではありません。でも天の御国は、罪の告白と悔い改めの向こう側にあるのです。

だから私たちは、失った兄弟を取り戻すために、愛をもって祈らなければならないのです。そして、その祈りは必ず聞かれるます。　教会は、罪を真剣に問わなければならないところです。

今ここにも、何年も教会の交わりから離れていて、教会に戻って来られた方が何人かおられます。その方々がここにおられることそのこと自体が、祈りの大切さの証です。

主は、私たちの祈りの声を聞いておられます。実に、あなたの祈りは、天の御国への招待状なのです。