四旬節第四主日・「我に返る」

放蕩息子のたとえ話の中で、弟息子は自分が受け取るべき財産をもらい、家を出ました。彼は遊びまくり、お金も底をつき、その日の食べ物にも困り始めた。

それで、豚の世話を始めた。屈辱的な仕事です。しかし彼は屈辱を味い初めて我に返ったのです。

「我に返る」とは、自分の心の中をもう一度深く見つめて、そこにまだ残っている神様の痕跡(ことば)を見い出すことです。それで、彼は父のもとへと歩き出しました。

ところが、まだ家からは遠かったのに父親は彼を見つけ、走り寄ってきました。父親は毎日「今日は帰って来るじゃないか」と期待して待っていたのです。

しかし兄息子はどうか「弟が帰って来たので父親が喜び、祝宴を始めた」と聞くと怒り出した。兄息子にとって弟は帰って来なくてもよい存在だったのです。

イエス様はこの話をパリサイ人や律法学者たちに話されました。彼らは毎日祈り/断食もし/聖書もよく学んでいる。彼らはいつも神様とともに生活していた。

しかし、彼らはすべての人を天の御国に招きたいと願われる神様の愛を知らなかった。

彼らは、自分がまだ罪の中に留まっていることを知らず、父なる神の恵みにも気がつかなかった。そこに彼らの罪が潜んでいた。

パリサイ人/律法学者こそ“我に返る”必要があったのです。「我に返る」とは、自分に与えられている神の恵みに気がつくことでもあります。

彼らは、自分たちに語られた話を聞いても我に返らず、ついにはイエス・キリストを十字架に付けてしまいました。

私たちはどうでしょうか。私たちもこれまでの人生のどこかで罪を悔い改めて＜我に返り＞、神様のもとへ歩み出した。そのあなたに、神様の方から走り寄り、神の家に導き入れてくださった。

しかし私たちは今も、日々の信仰生活の中で罪を犯します。

私たちこそ日々悔い改め、我に帰らねばなりません。私たちは決して兄息子になってはなりません。あなたが＜我に返る＞とき、神様はあなたに恵みを増し加えてくださいます。