四旬節第二主日・「神の国に生きる」

ニコデモはイエス様に質問するために来ました。人目を避けるように“夜”にやって来ました。そのニコデモにイエス様は、「人は、新しく生まれなければ、神に国を見ることはできません」と言われました。

人にとって＜神の国を見る＞ことは、見ても見なくてもどちらでも良いような問題ではなく、必ず見なければならない切実な問題です。　しかし人は、自分の力で新しく生まれることはできません。

さて“新しく生まれる”ことが理解でないニコデモに、イエス様は『水と御霊によって生まれなければ、神の国に入ることはできません』と言い換えられました。

ここでは、「新しく生まれること」と「神の国に入ること」とはイエス・キリストを信じた者に、同時に起こることとして語られています。

「新しく生まれる」とは、イエス・キリストを救い主として喜んで受け入れることであり、「神の国に入る」とは、新しく生まれた者が「神の支配の内に入れられる」ことです。

人は、イエス様を罪からの救い主として信じて新しく生まれ、教会の中に神の国を見い出すのです。教会とは、神の支配の内にあって、神の愛が満ち満ちている所です。

人がこの世で神の支配の内に入ることは、神にすべてを委ねて生きることです。クリスチャンは、そのような生き方がもっとも平安な生き方であることを知っています。

人は、この世の枠組みの中でどんなに頑張っても、そこに魂の平安を見い出すことはできません。

ニコデモが知るべきは、肉の世界においても、神が働いて下さる霊的な領域が存在することでした。しかし後に、ニコデモは十字架のイエス様を見て新しく生まれました。

彼は、誰の目もはばからずにイエス様のからだを取り下ろし「私は、イエス・キリストの内にある者だ」と宣言したのです。ニコデモは＜神の国に生きる者＞と変えられたのです。

ここにおられるあなたも＜御霊によって生まれ＞ました。あなたは、すでに神の国の住人です。あなたは変えられています。

ただ大切なことは、あなたがその変化に気づくことです。そのためには、あなたは十字架に上げられたイエス・キリストを見続けなければなりません。

その時あなたは、神の支配の内に生かされていることを教えられるのです。