聖霊降臨後第三主日・「新しく造られた者」

パウロは、肉体が死んだときに、彼の魂に復活の身体が与えられることの保証として、今、神の聖霊をいただいていることを喜んでいます。

私たちも、同じ神の聖霊をいただいています。そうであるならば、私たちはパウロのように、いつも心強く生きているでしょうか。

パウロは＜死後の解決＞を語っています。今は、肉体を持っているために、“主から離れている”状態です。

しかし、やがて天からの住まいを着るときは、主と直接「顔と顔とを合わせて見」ます。その方が、はるかにすばらしい。

人は＜死後の解決＞がなければ不安でたまらない。それで多くの人は、この地上の生活を楽しむことだけを考えようとする。

でも、クリスチャンがこの世で生かされていることには、そこに神様のみこころがあります。

それ故、私たちはすべて主に委ねなければなりません。私たちがなすべきことは、主に喜ばれること以外にはないのです。

新しく造られた者は、心から主を喜ばせ、主の栄光を現わすことを願うのです。

またパウロは、自分を神と人とにささげ切っていたのです。それは、キリストの愛が自分を取り囲んでいることを知っていたからです。

新しく造られた者とは、神と人とに仕えることのできる人なのです。

最後にパウロは、新しく造られた者は「肉によってキリストを知ろうとしない」ことを挙げています。

肉によって主の十字架を見ても、その者にキリストの贖いの死は見えません。

その者にキリストの罪の赦しの力は及びません。

逆に、御霊にしたがってキリストを知った時、キリストの死の二重の意味を教えられます。

「キリストが私のために死んだこと」と「私がキリストとともに死んだこと」です。

それ故、パウロは私たちにも、聖霊によってキリストを知ることを勧めるのです。

私たちも、新しく造られ続けなければなりません。

しかし、人は自分の努力で自分を新しく造り変えることはできません。

そのために私たちがなすべきことは、まず私たち自身が新しく造り変えられることを、涙ながらに願うことではないでしょうか。