2025年06月22日（日）
＝あなたがイエス・キリストを証しするために＝
＜福音書＞ルカの福音書8章26～39節
イエス様は弟子たちに何かを教えるために舟でゲラサ人の地へ行かれました。そこに悪霊につかれた男がいたからです。
この男の状況は最悪でした。服も脱ぎ棄てて墓場に住み着き、鎖や足かせでつながれても、それを断ち切って荒野へ出て行ってしまう。イエス様は弟子たちにその男を見せるために来られたのです。
サタンは、私たちの小さな欠点に付け込んで、私たちを荒野に送り込もうとします。荒野は不毛の地です。荒野は霊的に荒廃した人の心です。そこに神の愛を見つけることはできません。悪霊は、あなたの心を愛のない霊的な荒野にしようと試みます。
悪霊はイエス様の御前にひれ伏して言います。『私とあなたに何の関係があるのですか』と。悪霊はイエス様に「何の関係もないのだから、ほっておいて欲しい」と懇願するのです。悪霊はイエス様に「私を苦しめないでください」とお願いしかできません。
この男は、多くの悪霊に着かれて荒野に追いやられていました。荒野とは何の良い実も結ぶことのできない土地です。ですから、悪霊につかれた者の心は、神の意志を顧みようともしない荒れ果てた心とされるのです。
悪霊は、イエス様が神の権威を持った方であり、その命令には従わざるを得ないことも知っています。それで悪霊は先手を取って「底知れぬ所に行けと自分たちに命じないように」懇願したのです。
そして悪霊は、周辺で飼われている豚の群れの中に入ることを願い求めました。悪霊たちが、豚の中に入った途端、豚の群れは崖から湖になだれ込んで死んでしまった。
このことでゲラサの人々は、イエス様に対して恐れを覚えました。
ゲラサの人々は、自分たちの神々に「この男から悪霊を追い出してほしい」と願ったでしょう。でもできなかった。そんなところにイエス様が突然やって来られ、その男から悪霊を追い出された。
そのとき殆どのゲラサの人々は、自分たちの旧い神々にしがみつき新しい権威を受け入れなかった。それで人々は、イエス様に「自分たちのところから出て行って欲しいと願った」のです。
そのような中で、ただ一人イエス様を受け入れたのが、悪霊を追い出してもらった男です。その男は、自分が悪霊から解放されたことを喜び「お供をしたい」と願っています。
しかしイエス様は「神があなたにしてくださったことをすべて、話して聞かせなさい」と言って、その男を去らせたのです。
このときイエス様は、弟子たちが知るべきことと、行うべきこととを教えられました。弟子たちは、この後全世界に出て行って福音を伝えなければなりません。
そのために弟子たちは、イエス様が誰なのかを明確に知る必要があったのです。だからイエス様は、ご自分が多くの悪霊につかれ最悪の状態だった男からも悪霊を追い出す神の権威を持っておられることを示されたのです。
イエス様の弟子となるとは、＜イエス・キリストの証人＞となることです。そして今日のみことばは、私たちにも問いかけます「あなたはイエス・キリストの証人ですか」と。
その問いかけに自信をもって「私はイエス・キリストの証人です」と応えるために、私たちはもう一度「イエス様は誰か。イエス様は私のために何をしてくださったのか」を見つめ直す必要はないでしょうか。
かつて私たちの心には、多くの罪がありました。そのすべての罪をイエス様は十字架の血潮によって帳消しにしてくださいました。それで私たちは、罪の滅びから救い出されました。
ちょうど悪霊に取りつかれた男が、最悪の状態から救い出されたように、私たちも救われたのです。
そして私たちが、イエス・キリストにしっかりと目を向け「イエス様が私に何をしてくださったか」をしっかりと心に刻むとき、私たちのうちに、主なる神への感謝がわき起こされるのです。
そのような感謝に満ち溢れる者を、主は＜キリストの証人＞として用いてくださいます。キリストの証人とされる。それは神があなたに備えてくださった最高のプレゼントです。