復活節第六主日・「イエスの祈り」

最後の晩餐の席で、イエス様は『時が来ました』と祈られました。このことばは、『人の子が栄光を受けるその時が来ました。一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ‥』の時です。(ヨハネ12：23,24)

一粒の麦は、十字架の下に落ちなければならなかったのです。

サタンは、アダムとエバの心に罪を持ち込み、人を神から引き離すことに成功しました。

しかし神は、失った人を取り戻すために、ひとり子を地上に送り、十字架で血を流させ、すべての人の罪を赦すことをご計画されました。

それでイエス様は、一粒の麦として十字架で死に、神の栄光を現わされたのです。神の栄光を現わすとは、それを見る者に、神はどのような方であるかを伝えることです。

イエス様は十字架上で、神の愛を現わされたのです。愛には犠牲が伴います。　それゆえ人は、イエス・キリストを知った時、父なる神の愛を教えられ、イエス様から離れられなくなります。

一粒の麦としての主の“犠牲のわざ”がなければ、弟子たちには＜神の愛＞が解らなかったのです。

イエス様は、まだ一粒の麦として死んでおられません。しかしイエス様は、ご自分が神の栄光を現わすために十字架で死なれること、また弟子たちが、

キリストの十字架を通して作り変えられ、新しく教会を形成して神の栄光を現わすことを確信しておられます。

神の愛によってその心が触れられた者は、主の栄光を現わす者とならざるを得ないからです。キリストの栄光が、すでに弟子たちの心の中で輝いているのです。

私たちも、神の愛によって心が触れられた者であり、心の内にイエス・キリストの輝きを持つ者です。

今あなたのために、一粒の麦となって十字架で死んでくださったイエス・キリストの愛を思い起こしていただきたい。主はあなたを作り変え、教会を作り変えようとしておられる。

今、イエス様はこの世を去る前に、弟子たちのために祈っておられます。彼らが、互いに愛し合って一つとなるように祈っておられるのです。

そして私たちも、そのように一つとされる時、教会は世にイエス・キリストの栄光を輝かすことができるのです。