ヨハネの福音書16章12~15節

今日は聖霊降臨祭の翌週の「三位一体主日」。神は父なる神様・御子イエス様・聖霊様という三つの位格を持つ一人のお方である、ということを覚える日曜日です。三位一体の信仰は、正統なキリスト教会と「異端」とされる団体とを区別する基準です。異端は「父なる神だけが本当の神であり、あとの2つはそれに劣る」といった教え方をします。じつはその方が人間の知性には合います。しかし大事なことは「聖書が何と言っているか」です。聖書全体は神様が三位一体であることを教えています。箴言8章やコロサイ人への手紙1章には、イエス様が天地創造の神様でもあることが記されています。またヨハネ14章ではイエス様と「もうひとりの助け主」(聖霊)とが同等、同質の存在であることが語られています。このように父・子・聖霊はすべて同等、同質であり、それでいて三人の神々ではなく一人の神なのです。

私たち人間にとって、神様が三位一体であることの意味は、「神様のものを人間に与えるため」です。イエス様は父なる神様から知恵と力を受け取られました。子どものような素直な心で受け取られたので、神様の知恵と力はすべてイエス様のものとなりました。次にイエス様はその知恵と力を人間である弟子たちに伝授しようとなさいましたが、弟子たちの不信仰と無理解のゆえにすべてを伝えることは出来ず、あとは聖霊様にお任せになりました。聖霊様は人間をすべての真理に導き入れます。自分の罪を自覚させ、その罪を背負ってイエス様が十字架で死んでくださったことを理解させ、イエス様を信じる信仰へと導きます。イエス様を信じる者は罪が赦され、永遠のいのちを得ます。これこそ神の知恵です。イエスキリストこそ神の知恵そのものなのです。

イエス様を信じて永遠のいのちをいただいた人は、神の知恵なるイエス様を他の人に知らせる者となります。なぜなら「受け取って知らせる」ことが三位一体の神様のご性質だからです。イエス様も父なる神様から受け取った言葉を語り、受け取ったわざを行いました。聖霊様もイエス様のものを受けて弟子たちに知らせました(15,16節)。だから聖霊様を受けた人間も、他の人に神の知恵と力を伝える者となるのです。今年の4月に南太平洋のサモア諸島から宣教チームが来日し、日本の教会と協力して日本人に福音を知らせました。かつて1人のイギリス人宣教師によってサモアに福音が届けられ、今度はそれを「受け取った」サモアの人たちが、他の国々へ行って福音を伝えたのです。わたしたちもイエス様という素晴らしい宝を受け取りました。だから今度はその宝を他の人々に知らせましょう。それは必ずできます。なぜなら神様は三位一体のお方なのですから。

(永田 令牧師)