ルカの福音書21章25-36節
今日からアドベント(待降節)に入りました。イエスキリストを待ち望む期間です。英語やラテン語の「アドベント」(来臨、到来)という言葉はギリシャ語の「パルーシア」という言葉を訳したものです。「パルーシア」には「到来する」という意味と、「居合わせる」という意味があります。「来た」人がすぐに立ち去るのではなく、「ずっと一緒にいる」というニュアンスです。つまりアドベントというのは、キリストがただ来るだけではなく「来て、わたしたちと一緒にいてくださる」ことを覚える時なのです。
しかしもともと人間は、神様と共にいられるほど清い存在ではありません。造り主なる神様にそむいて神様から離れ、罪に落ちてしまったからです。そのまま神様に近づけば、たちどころに罰を受けてしまいます。しかしそうならないために、神の御子イエス様が人となって地上に「来て」くださり、わたしたち人間の代わりに十字架で罰を受けてくださいました。これがイエス様の1回目の来臨、つまりクリスマスです。「見よ、処女がみごもっている。そして男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」(訳すと、神は私たちとともにおられる、という意味である)(マタイ1:23)。誰でも罪を悔い改め、イエス様を自分の代わりに死んでくださった救い主と信じるなら、罪がゆるされ、神様が共にいてくださいます。これが天国です。
聖書には、イエス様がもう一度地上に来られると書かれています。「日と月と星には、前兆が現れ、地上では、諸国の民が、海と波が荒れどよめく」(25)。「人々は、人の子が力と輝かしい栄光を帯びて雲に乗って来るのを見るのです」(27)。これがイエス様の2回目の来臨(再臨)です。その時、罪がゆるされている人は喜びにあふれて、ゆるされていない人は恐怖におののいて、イエス様を見ます。
イエス様を信じていても、罪の誘惑は日々あります。だからいつも聖書の御言葉を聞き、聖餐にあずかり、絶えず祈る必要があります。「いつも油断せずに祈っていなさい」(36)。1人で、また2~3人で祈る時、イエス様が「ともにおられ」ます。これが天国です。天国はもう「来て」いるのです。
(永田 令牧師)