マルコの福音書13章1-8節
今は混迷の時代です。戦争、分断、災害、凶悪犯罪等が相次いでいます。聖書には「イエスキリストが再び地上にやって来る（再臨）」と記されていますが、その前に、まさに戦争や災害が起こり、偽キリストが現れると書かれています。本当にキリストの再臨が近づいているのかもしれません。
今日の福音書は、そのイエス様の再臨についての箇所です。ここでイエス様は、これらの災いの最初に起こるのは「エルサレム神殿の崩壊」だと弟子たちに語られました。そしてこの福音書が書かれてから間もない西暦70年に、本当にエルサレム神殿はローマ軍によって破壊されました。当時のユダヤ人にとって「神殿崩壊」というのは非常にショックな出来事でした。いわば神の民としての自分たちのアイデンティティーがすべて壊れてしまったかのような出来事です。しかしそれを予告されたイエス様は、むしろ神殿の崩壊を喜んでおられたのです。それは神殿が「民の罪を清めるために動物をいけにえとしてささげるための場所」だったからです。イエス様は全人類の罪を清めるためのいけにえとして十字架で死なれましたから、イエス様が来られたことで、もう神殿は必要なくなったのです。だから今は天国に行くために何かを神様にささげる必要はありません。お金も奉仕も1ミリも必要ありません。クリスチャンが献金や奉仕をするのは、ただイエス様のおかげで無償で救われたことへの感謝の応答としてささげているだけです。
天国は死んで初めて行けるのではありません。今わたしたちは、教会で天国を味わうことが出来ます。教会で礼拝し、御言葉を聞き、讃美し、祈り、聖餐にあずかる時、そこに天国があります。今のような暗黒の時代だからこそ、なおさら教会に集う必要があります。そして共に励まし合いながら、周りの人たちに愛を実践し、良いわざを行うのです。「互いに勧め合って、愛と善行を促すように注意し合おうではありませんか」（ヘブル10：24）。自分の力ではなく、聖霊様の力によってそれは可能です。クリスチャンがそのような愛に生きるなら、それによって周囲の人々は本当の天国を見るでしょう。今のような混迷の時代だからこそ。
（永田 令牧師）
